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科学はシンプルであるべきだ・・・武田先生、ちょっと無理がありすぎでは?

2011-10-23 11:56:00 | 福島原発事故
 

■ これは自己矛盾ではなイカ? ■


 
私は武田邦彦氏は大好きですが、
どうも原発事故に対する氏の一連の発言は
疑問の念を禁じ得ません。

先日も氏はこう主張しています。


「善良な国民」になろう・・・善良な「専門家」の論理
http://takedanet.com/2011/10/post_c6b8.html

複雑そうなレトリックを用いているので、
強引に簡単にまとめてみます。


1) 原子力の専門家は、現場の人たちである
2) 原子力の研究者は、学者である
3) 放射線の基準は、学者のみが決定出来る
4) 1(mSv/年)という法律は、学者のみが変更可能である

ちょっと簡単にし過ぎたかも知れませんが、
これは社会の秩序を維持する為には
いたって正しい主張です。

問題は以下の主張です。

5) 一般人や専門家は法律や基準に口出しする事は出来ない

日本はいつから言論が封殺される様になったのでしょうか?



武田氏は、リサイクルや温暖化に対して、
「法律が間違っている」と主張してきた張本人です。

ところが、放射線の健康被害に関しては、
「法律に疑念をはさむ者が間違っている」
という立場を主張します。

これは大いなる自己矛盾です。


■ 逆のケースを想定すれば、論理的矛盾は明確だ ■

武田先生の主張は、放射線を巡る状況を反転すれば
論理が破綻している事は明確です。

1) 100(mSv/年)が法律の定める被爆基準だとする
2) 実際には1(mSv/年)でも危険性が高い
3) 市民がこの点を指摘して改善を求める声を上げる
4) 100(mSc/年)が基準なのだから、市民の意見は無視して良い

武田先生の主張を世の中が採用するならば、
多くの公害訴訟は敗訴するしかありません。

■ 過剰安全性という落とし穴 ■

今回の福島で議論されるべきは、
1(mSv/年)という基準が現実的であるかという点であるはずです。

「除染に8兆円を掛けて、人的被害の差が科学的には存在しない」
・・・安心の為のコストとしては破格です。

地球温暖化、ダイオキシン、オゾンホール、新型インフルエンザ
そして昨今では「子宮頸がんワクチン」と、
私達は過剰安全性の罠に落ち続けています。

■ この記事を一読して欲しい ■

先日も紹介したオックスフォード大学のアリソン教授の記事が載っていました。

池田信夫氏が紹介しているので、
武田先生シンパは、疑いの目でごらんになるでしょう。

しかし、アリソン教授の言説は明快です。
世界は放射線に関して、1000倍の安全性を掛けている・・・
そう教授は主張します。

http://agora-web.jp/archives/1394307.html

■ シンプルな主張が正しい ■

科学的議論を展開するのに、
社会学的な複雑なレトリックを用いる武田先生と、
純粋に物理学的観点と、過去の事例を紹介するアリソン教授とで
どちらがシンプルであるかは一目瞭然です。

科学とはシンプルである程、真実に近いと思うのは私でけでしょうか?


<追記>

前出の武田先生の文章を読めば読む程、

「放射線の研究者は、過去の非を国民に詫びて
 基準値を適当な数値に改定せよ!!」

・・・そう読めてしまうのは、私の頭がオカシイからでしょうか?_