■ ついに3%に到達した米国債金利 ■
米国10年債金利が3%に到達しました。
少し前は3%に接近すると市場が混乱していましたが、今回は意外のあっさりと3%に乗った感じです。
確かに昨晩のダウは400ドル以上下げていますが、2月以降、値動きが荒い展開が続いているので「400ドル、何それ?」という感じも無くもマりません。
ある程度、過剰リスクが整理されている事と、3%到達を市場が織り込んでいたので混乱は少ない様です。
■ ドル安は反転するのか? ■
本来なら金利上昇でドルも上昇するハズですが、ドルは下落が続いていました。
トランプの強硬な貿易政策を嫌気して・・・などと理由が付けられていますが、実は為替市場を動かす力はプロにも読み切れないと言われています。「何となく空気に支配」されてドルが上ったり下がったりしている・・・そう考えた方が現実的かも知れません。
直近の金利上昇でドルも上昇していますが、このままドル高に突入するかは神のみぞ知る。アナリストは様々な理由を付けて為替市場の先行きを予測しようとしますが、当たるも八卦、当たらぬも八卦。
■ ドル安、金利高で資金の米国回帰は起こるのか? ■
ドル安で米国投資は割安感が出て来ます。これはアメリカの株式市場や債券市場には有利に働きます。
金利も日本などに比べると高いので、ドル安の内に米国債を買っておけば、ドル高に転じた時に儲かると考える投資家も多いでしょう。
しかし、現実には日本の金融機関は米国債を今年に入ってから大量に売っています。これは、ドル安がさらに進行した場合、多少の金利上昇が為替差損で相殺されてしまうからです。市場はトランプ政権下でドルの上値は重いと予測しているのでしょう。
■ 異次元緩和を止めたら急激な円高となる ■
異次元緩和による景気改善効果は限定的で、むしろバブルが膨らむ危険性の方が高い。しかし、日銀は異次元緩和を止める事が出来ません。もし、異次元緩和を止めたら、急激な円高になる可能性が有るからです。
財政ファイナンス以外で何物でも無い異次元緩和を継続する理由として円高の緩和は、輸出企業などに支持されます。「安倍政権=異次元緩和」なので、経済界は首相を何としても守りたい。
■ 過敏と不感症を繰り返す市場 ■
今の所、米国債金利の上昇に市場はある程度冷静に対応していますが、3日連続でダウが300ドル以上下げる展開も十分に予想されます。日経平均も21000円代まで下げる可能性は高い。
ダウよりも日経平均の方が根戻りが鈍いので、金利上昇に伴って、いずれ日経平均は20000円台を割る事になるでしょう。安倍政権の退陣が決定的になれば、2万円割れは早まると思います。
市場は様々な外的環境の変化に、過敏に反応したかと思えば、しばらく不感症が続く展開が続いていますが、気付けばジェットコースターはまさに落下せんとする場所到達するのでしょう。
いずれにしてもトランプ政権発足後のアゲアゲな空気は、今は消え、関係者はいつ落下が始まるかを固唾を飲んで見守る状況。
とまあ、訳の分からない事を書いてしまいましたが、個人的にはアメリカの金利上昇の原因がイマイチ良く分かりません。景気拡大や物価上昇の要因が見当たらない。「漠然とした恐怖」或いは「中東戦争による原油価格の上昇予測」が金利を押し上げていると妄想したりしています。