■ 千葉県豪雨の実態調査 ■
2019年10月25日は千葉県に記録的な大雨が降りました。
台風20号から勢力の衰えた熱帯低気圧が日本列島を北上し、さらに東海上を、強い勢力の台風21号が並走した為に、大量の湿った空気が関東地方から東北地方に流れ込みました。
千葉県の多くの場所で、観測史上初となる記録的な大雨となり、場所によっては1時間の雨量が100mmを越え、3時間雨量が300mmを越えた所も有ります。
ちなみに、降水量を言葉で表現すると下記の様になります。
1ミリ → 小雨。地面がかすかに湿る。傘はいらない。
3ミリまで → 弱い雨。地面がすっかり湿る。
8ミリまで → 雨。地面に水たまりができる。
15ミリまで → やや強い雨。雨が降る音が聞こえる。
20ミリまで → 強い雨。雨音で話しが聞き取りにくい。
地面一面に水たまり。
寝ている人でも目を覚ます場合がある。
30ミリまで → 激しい雨。傘をさしていても濡れるどしゃぶり。
道端の排水溝があふれはじめる。
50ミリまで → 非常に激しい雨。まさにバケツをひっくり返したような雨。
下水はあふれ、崖くずれなどが起こりやすい。
道路交通規制などが行われる。
50ミリ以上 → 非猛烈な雨。滝のように降り、雨しぶきで辺りは白っぽくなる。
土砂災害や中小河川の氾濫が起こり、水害が急速に広がる。
1時間に100mmの降水量は、1か月分の雨が1時間で降るのに等しく、そんな中に屋外に居れば「滝行」状態間違い無し。
■ 「養老川がマジヤバイ!!」 ■
昨日、普段は穏やかな養老川は2か所で氾濫し、中流にある高滝ダムは、上流域の水位が上昇した為に緊急放流一歩手前まで行きました。
ネットでは「こんな養老川見た事無い」や「高滝ダム、普段でも放流すると水位一気の上昇するのに、今放流したらマジヤバイ」などという書き込みが溢れました。
下の写真はネットから拝借しましたが、下流域でも、あと数十センチで越水という状態。
ネットから
■ 豪雨の翌日、千葉県を横断してみる ■
私は自分の目で見たものしか信用しない性格なので、豪雨の翌日、被害の状況を直接見に行ってみました。もちろん自転車で。いつもの上総牛久から養老渓谷経由で鴨川を目指します。道は相当に荒れているでしょうから、ブロックタイヤのMTBの出番です。
豪雨の翌日の土曜日は、朝から晴れ間が広がりました。路面も既に乾いていて、所々に水たまりが残る程度。但し、国道の路肩は水で流された枯れ枝が排水溝の周辺の溜まっているなど、非常に走り難い状態。ロードではパンク覚悟ですが、MTBなので枯れ枝を踏み越えても平気です。
八幡宿から大多喜街道に入り、上総牛久を目指します。上総牛久の周辺でも養老川が氾濫した様ですが、今は川の水位は下がっています。路肩に溜まる砂が、道路の冠水の名残。
養老清澄ラインに入ると、読売カントリークラブの手前で「土砂崩れ通行止め」の看板。農道に迂回してCC前の坂道を登って行くと、なんと坂の頂上手前が土砂崩れ現場でした。既に、パワーシャベルが土砂の撤去作業を始めています。
規模は大した事が無かったので、作業員の方に自転車で越えて良いか聞くと「無理だっぺ、ズブズブで潜っちゃうよ」と笑っています。「大丈夫、いつもの事です」と答えて数歩進むも、ズブズブ・・・。これ膝まで潜っちゃうヤツだ・・・。「やっぱ無理っす!!」っと撤退表明。「そうだっぺ、迂回するのが正解だよ」と、皆さんに笑われました。
ドロドロになった靴と、ドロドロになったタイヤで、なかなかMTBらしい感じにった所で、適当に迂回して、養老清澄ラインに復帰。高滝ダム(高滝湖)の到着します。
高滝湖は茶色く濁り、流木が多く浮かんでいますが、水位は普段よりも1m程度高い感じ。湖畔の管理用の通路が一部水に浸かっています。
その先、橋から見下ろす養老川の水位は下がっていました。枝に引っかかっているゴミなどから判断して、今より3m程は増水していたと思われます。千葉県の河川は、長さが短いので、水位いが下がるのが早いのでしょう。
■ 土砂崩れのオンパレード ■
上総大久保まで来ると、大規模な土砂崩れで電柱が倒壊して通行止め。この先に洞門(シェルター)があるので、崩れやすい場所なのでしょう。
適当に川の対岸で迂回路を捜します。対岸から土砂崩れ箇所が見えます。この周辺は砂層と粘土層の互層で形成されているので、砂層部分は崩れやすい。
迂回路はバイク乗りが素掘りトンネル目当てで良く通る林道ですが、追い抜いていった乗用車が何台か戻って来ました。「通行止めですか」と聞くと「トンネルの出口で倒木で通れない。人は歩いて通れそうだから、自転車も行けるかも知れません」との事。
トンネルを抜けると、そこは「倒木だらけ」だった・・・。
枝の下を、自転車を寝かせて、どうにか突破に成功し先に進むと、30m置きに倒木や、小規模な土砂崩れに行き合たります。粘度層も柔らかいので、ゴロゴロと崩れて道に転がっています。
土砂崩れ箇所の泥の上に足跡が無いので、私が最初の通行者の様です。倒木の枝が密集している所では、太い枝をバキバキ追って通れる場所を確保します。そんな場所が何か所かあったので、ちょっとしたボランティアをやった気分になります。
小さな沢を跨ぐ橋の路肩が崩落していました。普段はほとんど水流が無いのですが、昨日は濁流だったのでしょう。しばらくは自動車は通れないでしょう。
山の反対側に出ると道幅が広くなりますが、やはり所々で斜面が崩落しています。途中から車のタイヤの跡があり、その下に「通行止め」の看板が立っていたので、地元の方が様子を見にいらしたのでしょう。
ようやく集落に出ました。養老渓谷駅裏の端から谷を見下ろします。下に見える橋の川岸部分が相当に侵食されています。この辺りも地層が柔らかいので、川のカーブの外側は、簡単に削り取られてしまいます。
■ ラーメン屋さんが情報基地? ■
自転車を担いだので、お腹が空きました。養老渓谷駅裏の以前から気になっていたラーメン屋さんに入ります。地元の方相手のお店なので、色々とお話が伺えそうです。
お店には先客でオバサンが一人。携帯電話で店の外で誰かとお話されていますが、「どこそこが道が川の様だった」とか「どこそこは通れない」などとの情報を交換しています。
私はミネラル補給で味噌ラーメンを注文して、お店のオバサンとひとしきり雑談。
「どこからいらしたの?」
「浦安から」
「自転車ですか?どこ通って来たの?」
「上総大久保から小学校の脇を登って来ました。」
「あら、崩れて通れなかったんじゃない?」
「倒木の枝を折って突破して来ました。」
「どこまでいらっしゃるの?」
「鴨川に抜けようとおもうのですが、通れますかね?」
「筒森を抜けて鴨川有料なら大丈夫だと思うけど、スマホで調べられない?」
「あ、鴨川有料、大丈夫みたいですね。」
「養老渓谷へは、今、大多喜回りじゃないと来れないのよ、後はどこも通行止め」
「山の中は相当に酷いですね」
「今朝、皆で道を全部見て回ったけど、通れる道は大多喜に抜ける道だけだって」
「林道は全滅ですね」
その後、何故か、電話を終えたオバサンも一緒に、「電位治療器具」のセールスの話で盛り上がっちゃいました。「ヘル〇トロ〇」ってヤツだと思うのですが・・・どうやら近くで人を集めているみたいで勧誘が煩いらしい。「・・・・あ、それなら実家にありますよ」と思わず会話に参加すると、「エー、本当。で、どうなの、効くの?」。「僕は全く分からないんですけど、母は夜中に脚が攣った時に座ると治るって言ってますね。」「あら、そう。でも脚が攣るのてそのままにしていても治るわよね」「そうそう、親指立てると治るよね・・・」っとこんな会話。
そうこうしている内に、市役所の職員の方が被害状況の調査にみえました。
「どうです、今回は何か被害ありましたか?」
「ウチは大丈夫ですね。電話も通じるし」
「ちょっと見させてもらいますね」
「お願いします。」
「どこ通って来たの?」
「大多喜」
「それはご苦労様、1時間掛かったでしょう」
「だいたい1時間」
「ここの所、いつもご苦労様」
「いつも土日なんだよね、台風」
9月以降、千葉県の自治体の職員の方は休まる事が無いでしょう。本当にご苦労様です。
ところで、味噌ラーメン。おおきな器で出て来たので、食べきれるか心配でしたが、美味しくて汁まで完食してしまいました。今度から養老渓谷で昼食を食べる時には、こちらのお店に決めました。
■ 水は引いたけれど、遊歩道の被害が・・・ ■
腹も満たしたのでラーメン屋さんを後にして、鴨川を目指します。
養老渓谷温泉郷の赤い太鼓橋ですが、いつもは6mくらい下を流れる川が、岸の上近くまで増水した写真がネットにアップされていました。本日は、水位は下がっていましたが、木の枝に引っ掛かったゴミが、増水の跡。
川岸の遊歩道の手摺が無残にも破壊されています。遊歩道も無事では無いでしょう。これから紅葉シーズンで一年で一番賑わう養老渓谷ですが、観光への影響が心配です。
鴨川へは老川十字路を右折して筒森経由で亀山湖から鴨川有料を目指しますが、筒森の先の土砂崩れが心配です。君津と大多喜の市境付近は、土砂崩れや路肩の崩落が多い場所です。そこで折り返すのもショックが大きいので、老川十字路を直進して粟又の滝から、会所のトンネル経由を選びます。
普段は水量が少なくて、滝というより、巨大なウォータースライダーの様な粟又の滝ですが、今日は「どこの名瀑だよ!!」という程の迫力です。
日光の「湯の滝」の様になった「粟又の滝」
いつもは水量が多い時でも、この程度。夏の渇水時はチョロチョロ・・。
会所トンネルからは下り坂になります。道端の斜面から道路に水が流れ出て、舗装の上を小川の様に流れていますが、わざと自転車を突入させて、タイヤや車体の泥を洗い落とします。(頭から水を被る事にもなりますが・・・)
安房小湊への分岐で、迷いましたが、鴨川へは向かわず、勝浦から輪行する事に決めます。「鳴海」を一本買いたくなったからです。
9月の台風15号以来、千葉県は台風や豪雨被害に度々見舞われています。今回の豪雨の被害も復旧まで時間が掛かりそうですが、地方の人達は「災害慣れ」しているというか、逞しい。コミュニテーがしっかりしているので、自分達で被害地域を特定して、口コミで被害状況が広がて行きます。近所の一人暮らしの老人の安否確認も迅速です。都会では行政任せの防災ですが、地方では地域ぐるみで対応している事を、自分の目と耳で感じ取った一日でした。
ガンバレ、千葉県。
ガンバレ、全国の被災地の皆さん!!
2019年10月25日は千葉県に記録的な大雨が降りました。
台風20号から勢力の衰えた熱帯低気圧が日本列島を北上し、さらに東海上を、強い勢力の台風21号が並走した為に、大量の湿った空気が関東地方から東北地方に流れ込みました。
千葉県の多くの場所で、観測史上初となる記録的な大雨となり、場所によっては1時間の雨量が100mmを越え、3時間雨量が300mmを越えた所も有ります。
ちなみに、降水量を言葉で表現すると下記の様になります。
1ミリ → 小雨。地面がかすかに湿る。傘はいらない。
3ミリまで → 弱い雨。地面がすっかり湿る。
8ミリまで → 雨。地面に水たまりができる。
15ミリまで → やや強い雨。雨が降る音が聞こえる。
20ミリまで → 強い雨。雨音で話しが聞き取りにくい。
地面一面に水たまり。
寝ている人でも目を覚ます場合がある。
30ミリまで → 激しい雨。傘をさしていても濡れるどしゃぶり。
道端の排水溝があふれはじめる。
50ミリまで → 非常に激しい雨。まさにバケツをひっくり返したような雨。
下水はあふれ、崖くずれなどが起こりやすい。
道路交通規制などが行われる。
50ミリ以上 → 非猛烈な雨。滝のように降り、雨しぶきで辺りは白っぽくなる。
土砂災害や中小河川の氾濫が起こり、水害が急速に広がる。
1時間に100mmの降水量は、1か月分の雨が1時間で降るのに等しく、そんな中に屋外に居れば「滝行」状態間違い無し。
■ 「養老川がマジヤバイ!!」 ■
昨日、普段は穏やかな養老川は2か所で氾濫し、中流にある高滝ダムは、上流域の水位が上昇した為に緊急放流一歩手前まで行きました。
ネットでは「こんな養老川見た事無い」や「高滝ダム、普段でも放流すると水位一気の上昇するのに、今放流したらマジヤバイ」などという書き込みが溢れました。
下の写真はネットから拝借しましたが、下流域でも、あと数十センチで越水という状態。
ネットから
■ 豪雨の翌日、千葉県を横断してみる ■
私は自分の目で見たものしか信用しない性格なので、豪雨の翌日、被害の状況を直接見に行ってみました。もちろん自転車で。いつもの上総牛久から養老渓谷経由で鴨川を目指します。道は相当に荒れているでしょうから、ブロックタイヤのMTBの出番です。
豪雨の翌日の土曜日は、朝から晴れ間が広がりました。路面も既に乾いていて、所々に水たまりが残る程度。但し、国道の路肩は水で流された枯れ枝が排水溝の周辺の溜まっているなど、非常に走り難い状態。ロードではパンク覚悟ですが、MTBなので枯れ枝を踏み越えても平気です。
八幡宿から大多喜街道に入り、上総牛久を目指します。上総牛久の周辺でも養老川が氾濫した様ですが、今は川の水位は下がっています。路肩に溜まる砂が、道路の冠水の名残。
養老清澄ラインに入ると、読売カントリークラブの手前で「土砂崩れ通行止め」の看板。農道に迂回してCC前の坂道を登って行くと、なんと坂の頂上手前が土砂崩れ現場でした。既に、パワーシャベルが土砂の撤去作業を始めています。
規模は大した事が無かったので、作業員の方に自転車で越えて良いか聞くと「無理だっぺ、ズブズブで潜っちゃうよ」と笑っています。「大丈夫、いつもの事です」と答えて数歩進むも、ズブズブ・・・。これ膝まで潜っちゃうヤツだ・・・。「やっぱ無理っす!!」っと撤退表明。「そうだっぺ、迂回するのが正解だよ」と、皆さんに笑われました。
ドロドロになった靴と、ドロドロになったタイヤで、なかなかMTBらしい感じにった所で、適当に迂回して、養老清澄ラインに復帰。高滝ダム(高滝湖)の到着します。
高滝湖は茶色く濁り、流木が多く浮かんでいますが、水位は普段よりも1m程度高い感じ。湖畔の管理用の通路が一部水に浸かっています。
その先、橋から見下ろす養老川の水位は下がっていました。枝に引っかかっているゴミなどから判断して、今より3m程は増水していたと思われます。千葉県の河川は、長さが短いので、水位いが下がるのが早いのでしょう。
■ 土砂崩れのオンパレード ■
上総大久保まで来ると、大規模な土砂崩れで電柱が倒壊して通行止め。この先に洞門(シェルター)があるので、崩れやすい場所なのでしょう。
適当に川の対岸で迂回路を捜します。対岸から土砂崩れ箇所が見えます。この周辺は砂層と粘土層の互層で形成されているので、砂層部分は崩れやすい。
迂回路はバイク乗りが素掘りトンネル目当てで良く通る林道ですが、追い抜いていった乗用車が何台か戻って来ました。「通行止めですか」と聞くと「トンネルの出口で倒木で通れない。人は歩いて通れそうだから、自転車も行けるかも知れません」との事。
トンネルを抜けると、そこは「倒木だらけ」だった・・・。
枝の下を、自転車を寝かせて、どうにか突破に成功し先に進むと、30m置きに倒木や、小規模な土砂崩れに行き合たります。粘度層も柔らかいので、ゴロゴロと崩れて道に転がっています。
土砂崩れ箇所の泥の上に足跡が無いので、私が最初の通行者の様です。倒木の枝が密集している所では、太い枝をバキバキ追って通れる場所を確保します。そんな場所が何か所かあったので、ちょっとしたボランティアをやった気分になります。
小さな沢を跨ぐ橋の路肩が崩落していました。普段はほとんど水流が無いのですが、昨日は濁流だったのでしょう。しばらくは自動車は通れないでしょう。
山の反対側に出ると道幅が広くなりますが、やはり所々で斜面が崩落しています。途中から車のタイヤの跡があり、その下に「通行止め」の看板が立っていたので、地元の方が様子を見にいらしたのでしょう。
ようやく集落に出ました。養老渓谷駅裏の端から谷を見下ろします。下に見える橋の川岸部分が相当に侵食されています。この辺りも地層が柔らかいので、川のカーブの外側は、簡単に削り取られてしまいます。
■ ラーメン屋さんが情報基地? ■
自転車を担いだので、お腹が空きました。養老渓谷駅裏の以前から気になっていたラーメン屋さんに入ります。地元の方相手のお店なので、色々とお話が伺えそうです。
お店には先客でオバサンが一人。携帯電話で店の外で誰かとお話されていますが、「どこそこが道が川の様だった」とか「どこそこは通れない」などとの情報を交換しています。
私はミネラル補給で味噌ラーメンを注文して、お店のオバサンとひとしきり雑談。
「どこからいらしたの?」
「浦安から」
「自転車ですか?どこ通って来たの?」
「上総大久保から小学校の脇を登って来ました。」
「あら、崩れて通れなかったんじゃない?」
「倒木の枝を折って突破して来ました。」
「どこまでいらっしゃるの?」
「鴨川に抜けようとおもうのですが、通れますかね?」
「筒森を抜けて鴨川有料なら大丈夫だと思うけど、スマホで調べられない?」
「あ、鴨川有料、大丈夫みたいですね。」
「養老渓谷へは、今、大多喜回りじゃないと来れないのよ、後はどこも通行止め」
「山の中は相当に酷いですね」
「今朝、皆で道を全部見て回ったけど、通れる道は大多喜に抜ける道だけだって」
「林道は全滅ですね」
その後、何故か、電話を終えたオバサンも一緒に、「電位治療器具」のセールスの話で盛り上がっちゃいました。「ヘル〇トロ〇」ってヤツだと思うのですが・・・どうやら近くで人を集めているみたいで勧誘が煩いらしい。「・・・・あ、それなら実家にありますよ」と思わず会話に参加すると、「エー、本当。で、どうなの、効くの?」。「僕は全く分からないんですけど、母は夜中に脚が攣った時に座ると治るって言ってますね。」「あら、そう。でも脚が攣るのてそのままにしていても治るわよね」「そうそう、親指立てると治るよね・・・」っとこんな会話。
そうこうしている内に、市役所の職員の方が被害状況の調査にみえました。
「どうです、今回は何か被害ありましたか?」
「ウチは大丈夫ですね。電話も通じるし」
「ちょっと見させてもらいますね」
「お願いします。」
「どこ通って来たの?」
「大多喜」
「それはご苦労様、1時間掛かったでしょう」
「だいたい1時間」
「ここの所、いつもご苦労様」
「いつも土日なんだよね、台風」
9月以降、千葉県の自治体の職員の方は休まる事が無いでしょう。本当にご苦労様です。
ところで、味噌ラーメン。おおきな器で出て来たので、食べきれるか心配でしたが、美味しくて汁まで完食してしまいました。今度から養老渓谷で昼食を食べる時には、こちらのお店に決めました。
■ 水は引いたけれど、遊歩道の被害が・・・ ■
腹も満たしたのでラーメン屋さんを後にして、鴨川を目指します。
養老渓谷温泉郷の赤い太鼓橋ですが、いつもは6mくらい下を流れる川が、岸の上近くまで増水した写真がネットにアップされていました。本日は、水位は下がっていましたが、木の枝に引っ掛かったゴミが、増水の跡。
川岸の遊歩道の手摺が無残にも破壊されています。遊歩道も無事では無いでしょう。これから紅葉シーズンで一年で一番賑わう養老渓谷ですが、観光への影響が心配です。
鴨川へは老川十字路を右折して筒森経由で亀山湖から鴨川有料を目指しますが、筒森の先の土砂崩れが心配です。君津と大多喜の市境付近は、土砂崩れや路肩の崩落が多い場所です。そこで折り返すのもショックが大きいので、老川十字路を直進して粟又の滝から、会所のトンネル経由を選びます。
普段は水量が少なくて、滝というより、巨大なウォータースライダーの様な粟又の滝ですが、今日は「どこの名瀑だよ!!」という程の迫力です。
日光の「湯の滝」の様になった「粟又の滝」
いつもは水量が多い時でも、この程度。夏の渇水時はチョロチョロ・・。
会所トンネルからは下り坂になります。道端の斜面から道路に水が流れ出て、舗装の上を小川の様に流れていますが、わざと自転車を突入させて、タイヤや車体の泥を洗い落とします。(頭から水を被る事にもなりますが・・・)
安房小湊への分岐で、迷いましたが、鴨川へは向かわず、勝浦から輪行する事に決めます。「鳴海」を一本買いたくなったからです。
9月の台風15号以来、千葉県は台風や豪雨被害に度々見舞われています。今回の豪雨の被害も復旧まで時間が掛かりそうですが、地方の人達は「災害慣れ」しているというか、逞しい。コミュニテーがしっかりしているので、自分達で被害地域を特定して、口コミで被害状況が広がて行きます。近所の一人暮らしの老人の安否確認も迅速です。都会では行政任せの防災ですが、地方では地域ぐるみで対応している事を、自分の目と耳で感じ取った一日でした。
ガンバレ、千葉県。
ガンバレ、全国の被災地の皆さん!!