登場人物がそれぞれの立場から証言していくことを通して見えてくる事実を描く。このアプローチはとてもおもしろい。普通の芝居の作り方はしない。役者たちの会話や、対立というからみあいはほとんどない。それぞれのモノローグが、絡み合って1本の芝居を構成していくことになる。福島県からやって来た満塁鳥王一座の大阪初上陸作品である。
作、演出の大信ペリカンさんを中心とするこの集団は、前述の方法で既に3本の作品 . . . 本文を読む
今から33年前に作られた日活ロマンポルノの大傑作をついに見る。しかも、劇場の大スクリーンで、である。大阪の最後の昔ながらの映画館である千日前国際劇場。その「さよなら上映」で特別公開された。
ロマンポルノがこの世から消えて久しい。80年代ずっとコンスタントに劇場通いを続けた。そこで、思いもかけない凄い映画に何度も出遭った。ポルノを見るなんていうのはとても恥ずかしい行為だが、おもしろい映画に出逢 . . . 本文を読む
初期Ugly ducklingの代表作を金蘭がどうアレンジして見せてくれるのか、と期待していたのに、なんと台本はそのままに、正攻法で見せる。これには驚いた。いつもならどんな作品でもある種過剰な演出によってメリハリのあるスペクタクルとして見せるのが金襴ワールドのやり方なのに、今回はとても静かな芝居として、見せてくれる。その徹底振りは、アグリーのオリジナル以上である。
アグリーによるこの作品を見 . . . 本文を読む