1986年、日本シリーズで奇跡が起きる。西武ライオンズが3連敗から4連勝の大逆転優勝を果たしたのだ。その時、中学生だった彼は文化祭のために、毎日学校で劇の練習をしていた。ベケットの『ゴドーを待ちながら』である。憧れの同級生だった少女と2人、エストラゴンとヴラジーミルを演じる。
田中慎弥の小説は初めてだ。なんだか読みにくい。それはモノローグだけで綴られていくからだ。父親が息子に、かって子どもだ . . . 本文を読む
「ホウ・シャオシェン」と書くより『侯 孝賢』と書くほうがピンとくる。最近はカタカナ表記が主流になり、漢字では書かないようだが。さて、その侯孝賢監督の最新作はパリを舞台にした作品だ。
アルベール・ラモレスの『赤い風船』へのオマージュである。小学校の頃、学校の体育館でこの映画を見せられた。あの頃は、ほんとうによく様々な映画を体育館で見た。そういう意味では実にいい学校だった。これは印象的な映画で、 . . . 本文を読む