なんとも不思議な感触の残る映画だ。結構面白い発想のSFなのだが、とんがってはいない。この設定で無理なく、しかも2時間に及ぶポエムのような世界を作る。しかも一応最後まで集中を切らさない。脚本・監督は新人の中嶋莞爾。
死んだ宇宙飛行士である高原耕平(及川光博)は、政府から依頼されて自分の身体の情報を完全に残していた。しかも、彼が死んだときにはそれをもとにして自分のクローンを作るということも了承し . . . 本文を読む
椎名さんの久々の短編小説集。テントを題材にした2つの小説で、全体がサンドイッチされてある。最初の『飛んでいった赤テント』は山での話。雪山での単独行で、遭難しそうになる。最後のタイトルロール『屋上の黄色いテント』は、火事で住む場所を失った男がなんとなくから会社の屋上にテントを張って住む話。どちらも日常をベースにして、でも、なんだか不思議な世界に誘われていく。ありえないことはない。充分あり得る。だが . . . 本文を読む