400ページに及ぶ大作だが、とてもおもしろいから、一気に読める。読みながら、徐々にページをめくるスピードが、なんだかどんどんヒートアップしてくるのだ。次はどうなるのか、という興味からスピードが上がってしまうからだ。とても読みやすいエンタメ小説である。
ヤクザ専門の私立探偵が、行方不明になった組長(会長)を捜すうちに、巨大な陰謀に巻き込まれていく、というストーリーは、まぁ、よくあるタイプの話だ . . . 本文を読む
世事にうといから、この小説の作者である齋藤智裕って、だれやねん、と思い、でも、帯のあきれるような文言に心打たれて読む気になった。図書館のカウンターに持っていくと驚かれた。「広瀬先生、こんなのも読むのですか!」って感じで。で、「えっ?」って感じ。(何か問題でも?)と思ったが、後で、この小説が噂の水島ヒロが本名で書いたものと知る。僕はまぁそんなことどうでもいい。面白いか否か、それだけだ。
読後の . . . 本文を読む
なんだかとても癒された。『食堂かたつむり』の時もそうだったけど、食べるということの幸福って、人間にとって一番大切のことなのかもしれない、と思わされる。今回も食事のシーンがたくさんある。その度に、なんだかとてもほっとさせられる。それだけでもこの小説は成功している。
生きていると、いろんなことがあるけど、それを乗り超えていくため必要なことのひとつは食べることだ。そんな身も蓋もないことを、思う。だ . . . 本文を読む