400ページに及ぶ大作だが、とてもおもしろいから、一気に読める。読みながら、徐々にページをめくるスピードが、なんだかどんどんヒートアップしてくるのだ。次はどうなるのか、という興味からスピードが上がってしまうからだ。とても読みやすいエンタメ小説である。
ヤクザ専門の私立探偵が、行方不明になった組長(会長)を捜すうちに、巨大な陰謀に巻き込まれていく、というストーリーは、まぁ、よくあるタイプの話だ。組長を拉致したグループが、西の暴力団で、西と東の全面戦争に突入していく、と見せかけて、実はもっと大きな組織がその裏で関与している、というのもなんだかルーティーンワークなのに、話がとてもよく出来ているから、息をも尽かせぬ展開である。ことさらこれを取りたてて持ち上げる気はないが、こういう小説を暇な時に読むのは、なんだか至福だ。組長と探偵の関係もなんだかいい感じで、おきまりのパターンだが、坪に嵌る。
きっと映画会社は目ざといからもう既にこれの原作権を購入しているのだろうなぁ。黒沢満プロデュサーのもと、東映が製作して、監督は阪本順治あたりか。それならきっと佐藤浩市なんかを主演にして映画化するのだろう。それとももっと若手に任せてしまうのか。いずれにしても、これを2時間にまとめるのは、かなり難しいと思うが、楽しみだ。おもしろい映画になるといいなぁ、なんて、果てしなく勝手に妄想してしまう。それくらいに、これは映画向けの小説なのである。
ヤクザ専門の私立探偵が、行方不明になった組長(会長)を捜すうちに、巨大な陰謀に巻き込まれていく、というストーリーは、まぁ、よくあるタイプの話だ。組長を拉致したグループが、西の暴力団で、西と東の全面戦争に突入していく、と見せかけて、実はもっと大きな組織がその裏で関与している、というのもなんだかルーティーンワークなのに、話がとてもよく出来ているから、息をも尽かせぬ展開である。ことさらこれを取りたてて持ち上げる気はないが、こういう小説を暇な時に読むのは、なんだか至福だ。組長と探偵の関係もなんだかいい感じで、おきまりのパターンだが、坪に嵌る。
きっと映画会社は目ざといからもう既にこれの原作権を購入しているのだろうなぁ。黒沢満プロデュサーのもと、東映が製作して、監督は阪本順治あたりか。それならきっと佐藤浩市なんかを主演にして映画化するのだろう。それとももっと若手に任せてしまうのか。いずれにしても、これを2時間にまとめるのは、かなり難しいと思うが、楽しみだ。おもしろい映画になるといいなぁ、なんて、果てしなく勝手に妄想してしまう。それくらいに、これは映画向けの小説なのである。