一体この芝居はどこに着地するのだろうか、見ていて、不安にさせられる。初演のラストはもっとシンプルだった気がした。終盤、いつまでたっても終わらない。こんなはずじゃなかったのに、と思う。先が読めない。
終演後、作、演出の橋本さんに思わず聞いてしまった。もちろん結末部分をいじっているということだった。松本ドックパークという場所に取り込まれてしまい、ここから出られなくなる男という図式が前面に出る。反 . . . 本文を読む
アフリカからの難民の女性が、言葉もわからない場所で、ふたりの幼い子供を抱えて生きていく姿を描く。そこがオーストラリアであっても(というか、そうなのだが)どこでも彼女には関係ない。見ず知らずのところで、差別と偏見を受けて、(それは、ただの無知ゆえかもしれないけど)最悪の仕事をする。でも、本当はそうではない。
これは悲惨を描く小説ではない。彼女は、すごく長い時間をかけて、なんとかこの環境に適合し . . . 本文を読む