前作は見ていないので、これが初めてになる。真紅組の番外公演。こういう軽いタッチの芝居も悪くはない。渾身の力作である前作『おしてるや』の後、ちょっとした息抜きとしての作品だ。だが、こういう軽い作品にも、総力を結集させる。これは手を抜いたお気楽な作品ではない。でも、肩肘張ったものではもちろんない。飲み物片手に笑いながら楽しめる。でも、その中に阿部さんの考え方や感じ方がちゃんと滲み出てくる、そういう作 . . . 本文を読む
まだ1月も終わっていないのに、今年のベストワンはこの作品に決定した。ここ数年間に見た芝居の中でこれが一番だ。見ながら、こんなにもドキドキしたのは久しぶりのことだ。10年ほど前に平田さんが学生のために書いた作品の再演である。学生たちによって演じられたものを、今回は青年団のメンバーによる完全版として提示する。
初演から10年で、ここに描かれる日本と世界をめぐる状況はよりリアルなものになった。20 . . . 本文を読む