「これだけ」さりげない見せ方をして、ラストでいきなり「あれだけ」を見せて終わり、というのは、ちょっと大胆すぎないか?
これでは、何が何だかわからないというクレームもきっと出たはずだ。現に今日も何人かの観客が途中で劇場から退出していた。そんな不親切な映画である。だが、この緊張感の持続はただ事ではない。見終えた時にはぐったりとした。疲れる。でも、これは凄いというしかない。
少年期の3つのエピソー . . . 本文を読む
この単純なタイトルそのままで、とてもシンプルな映画だ。主人公の聖(松山ケンイチ)が、ただ、将棋をするだけの映画。病気に蝕まれて、あとわずかな命しかない。文字通り身を削り、羽生名人(東出昌大)に挑む3度の戦いが描かれる。2度目の戦いがクライマックスなのだが、そこで終わらないのがこの映画の身上。クライマックスの戦いが映画の後半のスタートくらいに設定されてあるようなのだ。始まってまだ1時間少し(体感時間 . . . 本文を読む
まさかここまでダメな映画だとは思いもしなかった。今の時代にこういう映画が存在することにも驚く。プログラムピクチャー全盛時代にはよくあったタイプのコメディで、70年代なら無視するだけで済んだ映画だろう。職人監督がやっつけ仕事としてこなしたような安易な企画。だが、今の時代そういうものはもう求められないし、そんな余裕はないはず。なのに、こうしてそんな映画が生まれた。まぁ、これはちょっとした奇跡なのかもし . . . 本文を読む
「ハリー・ポッター」シリーズの新作なのだが、ハリーはもう出てこない。これは別の新しいシリーズ第1弾ということらしい。主人公はハリーから同じホグワーツ魔法学校出身の魔法使いスキャマンダーに変わる。魔法学校の話ではなく、現実の世界へと飛び出す。今回の舞台は1920年代のニューヨーク。
この映画の凄さは、舞台となるニューヨークの街並み。その圧倒的な空間を舞台にした冒険のお話。主人公が彼のカバンから . . . 本文を読む
昨年、ウイングフィールドのウイングカップ最優秀賞に続いて、應典院spece×
dramaでも最優秀賞を獲った遊劇舞台二月病の新作。関西の若手劇団の最有力集団に躍り出たようだが、相変わらず彼らの芝居は変わらない。
重くて暗い。いろんな要素をどんどん詰め込みすぎてそれを十分には展開しきれていない。消化不良を起こしている。そういうところのあれもこれもがいつもの二月病である。中川さんは本当に変わらな . . . 本文を読む
56歳の3人の男たちが高校時代の友人の葬式のため帰郷する。その帰りのフェリーを待つ時間が描かれる。台風の影響で船がなかなか出ない。でも、彼らはバスを利用せず敢えてフェリーの就航を待つ。死んでしまった男も含めて4人。同じ時間を同じ場所で過ごした大事な親友だった。あれから40年近くの月日が経つ。
今、思うこと。あの頃の夢。久しぶりに会う彼らの想いがささやかな時間の中で描かれていく。お互い会うのは . . . 本文を読む