東京では今劇場公開中なのだが、大阪地区はまだみたいだ。1年前の夏、台湾に行ったとき、ちょうど公開中で大ヒットしていた。その時、見ようと思ったけど、当然字幕がないので、もう少しわかりやすそうな映画を、と日和ってしまい、他の映画を見てしまった。(エディ・ポン主演の自転車レースの映画を見た)どうせすぐ日本でも公開されると踏んだのだが、なかなかうまくいかない。今年になって妻が台湾でDVDを買ってきたから、 . . . 本文を読む
予告編を見た時、そそられた。そこに何が広がるのか、興味をかき立てられる、そんな作品だった。電車の窓から見た風景。そこにあるさまざまな人たちの営み。通勤の一瞬だけ、よぎる彼らの生活の一コマが毎日積み重なり、そこに親近感を抱く。まるで関係のない人なのに、旧知の仲のような想い。そんな妄想が心の中に広がる。もし、そこで自分が暮らしていたならどういう世界があっただろうか、なんて考えると、楽しい。きっとミステ . . . 本文を読む
展覧会のAの田中守幸さんが昨年亡くなられた。その追悼公演を往来がするのは当然のことだろう。往来が田中作品を取り上げて上演し、座付き作家のように上演していた時期の作品はほぼ全部見ている。鈴木さんだけではなく、田中さん自身も何本も演出を担当されたはずだ。田中さんの劇団での公演と往来での公演の違いは明らかでそこが面白かった。田中さん自身もその差を意識して作品作りをしたのではないか。それはとても充実した時 . . . 本文を読む
札幌から来た劇団Introの芝居は、どこの劇団にも似ていない。だからといって特別なことをしているわけではない。いたって「ふつう」の芝居だ。だが、ここでいう「ふつう」というのが彼女たちの(というか、作、演出を手掛けるイトウワカナさんの、というべきか)「特別」なのかもしれない。
家庭劇である。家族は父と母、おばあちゃんと二人の息子、上の息子の嫁、という6人。どこにでもありそうで、今はないような家 . . . 本文を読む
とてもいい。ひとりよがりすれすれのところで、なんとか成り立っている。その危うさが素晴らしい。これは自分勝手で、わがままな芝居だ。それを若さの特権だ、なんて僕は言わない。なぜなら、彼らは切実だからだ。そんなふうにしか語れないものに、正直に向きあう。その誠実さがこの作品の魅力だ。でも、そこを、この作り手の甘え、と切り捨てる人もいるかもしれない。でも、そんな批評は気にしなくていい。自分が信じたものをしっ . . . 本文を読む
とても重い話をさらりと見せている。さらりと見せることで、重い問題をその重さのまま見せきることに成功した。これは簡単そうに見えて実は一番難しいスタンスなのだ。そんなこと重々承知の上でそこにチャレンジしている。脚本を書いた横山拓也さんは、実に丁寧にこの切り口からお話を展開する。それをいつものパートナーである演出の上田一軒さんが力むことなく、ふつうに抑えたさりげなさで見せる。これはそんなコンビネーション . . . 本文を読む
織田裕二の新作である。先日の福山雅治の新作に続いてこちらも興行的に苦戦している。今、スターが主演する映画は、従来のように、それだけで簡単にヒットするという図式が崩れている。それは日本映画だけではなく外国映画でも同じだ。トム・クルーズでもダメなのである。『ジャック・リーチャー』があれだけ面白かったにもかかわらず。
そんな中で、織田裕二も興行的には惨敗した。しかし、そんなこととは裏腹に作品は実に . . . 本文を読む