70分ほどの小さな芝居である。4人の役者たちが狭い舞台で暑苦しい。だが、そこがこの作品の魅力でもある。船場サザンシアターというちょっとおしゃれな空間と見事ミス・マッチした。(ミスじゃないけど)
警察の張り込み捜査。4人の刑事たちが過ごす夜の時間。バカバカしいけど、見ていて楽しい。作、演出の木下半太さんはこういうシチュエーションコメディが得意だ。今回も実に悠々たるタッチで、この男だらけ . . . 本文を読む
これはとても暖かい芝居だ。甘い話ではない。厳しい話だ。直接は描かないけど、明らかに福島の原発事故を描いている。3場からなるお話自体は、64年、69年、71年という昔の話だ。山崎貴監督の『3丁目の夕日』と同じ頃の福島の話なのだ。だが、ここにはあの心地よいノスタルジアはない。
いや、心地よさ、という意味ではこれは負けてない。ここに集う人たちの群像劇で、みんながみんなとても優しい。主人公の . . . 本文を読む
こんな変な映画を見るのは久々のことだ。めったに日本では公開のないル-マニア映画。終わった瞬間、これで終わりなのかと本気で腹が立った。なんじゃこれは!と怒りの鉄拳。ヒューマンコメディのはずなのに、まるで笑えないし、暖かい気分にもさせてくれない。このテンションの低さは大概だ。89分しかない映画なのに、いつまでたっても、クスリとも笑えない。だんだん凍り付く勢いだ。終盤はただただ穴を掘っているばかりだし . . . 本文を読む
2時間50分の大作。(途中休憩10分含む)正統的2部構成で、1部のラストで、ここからお話が始まる、みたいな煽りもある。サーカス団の話と現実世界が交錯して、二つの世界に同じ人物がいて、それを主人公のユカリ(本当ならこの役もダブルで演じる予定だったらしい)以外は別人が演じる。並行世界が重なり合い、一つの世界を形作る。
これだけの大作を若いスタッフ、キャストが見事に作り上げたことに感動した . . . 本文を読む