70分ほどの小さな芝居である。4人の役者たちが狭い舞台で暑苦しい。だが、そこがこの作品の魅力でもある。船場サザンシアターというちょっとおしゃれな空間と見事ミス・マッチした。(ミスじゃないけど)
警察の張り込み捜査。4人の刑事たちが過ごす夜の時間。バカバカしいけど、見ていて楽しい。作、演出の木下半太さんはこういうシチュエーションコメディが得意だ。今回も実に悠々たるタッチで、この男だらけのせこい話をチマチマ見せてくれる。役者たちのアンサンブルがいいから、なんでもないお話に乗せられていく。最初は、買い物とか家族のこととか、事件とは関係ない些事で揺さぶりを掛ける。
やがて、あっと驚くラストへと、導かれるのだが、そのことはここでは言わない。今回をスタートにして、彼らは来年もこの作品で大阪にやってくることが決まっているから、ネタバレをここでしてもつまらないからだ。
こういうしつこい芝居は大阪にはあまりない。ニコルソンズのこんなにも暑苦しいのに、なぜかスマートな芝居がどういうふうに関西で受け入れられるのか。次回が楽しみ。