いったいここから何が始まるのだろうか、先の読めない展開がドキドキ感を高める。14歳の少女のひと夏の物語なのだけど、冒頭の小さな事件(夏休みの初日、クラブでチームメイトにケガをさせたことで、クラブを謹慎させられる)からスタートして、スケールの大きなお話へとシフトしていく。2人の少年との出会い、そこから壮大な冒険が始まるのだが、そんなお話が、よくあるパターンへとシフトしていかないのだ。彼女と一緒になっ . . . 本文を読む
アガサ・クリスティーのミステリーを取り上げるのなら、なんでオリエント急行ではなく、ナイルなのだろうか。まず、そんなことを思った。映画化作品ではシドニー・ルメットによる『オリエント急行殺人事件』が一番有名だが、あの時の2本目として、この『ナイル殺人事件』が映画化されたように、数年前のリメイクの成功の後、今回もこのナイルが映画化される。だから、まずオリエント急行から、と思うのだが、でも、往来は『ナイル . . . 本文を読む
松山から来阪しての公演。でも、まったく気負いはない。この自然体、等身大がこの集団の持ち味なのだろう。70分の芝居はさらりとした感触で、あっけなく終わるのだけど、そこが魅力。登場人物はたったの4人。主人公の青年を通して、小さなお話が綴られる。作、演出の玉井江吏香は彼の日常をさりげなく追いかけるだけ。彼の目線の先にいる3人も同じ。何も説明はしないけど、そこに彼らが確かにいる。
地方の . . . 本文を読む