石井裕也監督の最新作。昨年の『夜空はいつでも最高密度の青色だ』に続く作品だ。あの作品の高校生版だったりしたらどうしようか、と期待した。今更彼がキラキラ青春映画(もう死語)を作るわけではないから、じゃぁ、少女漫画を原作にして、高校生たちの恋愛模様を通して何を見せるのか。興味津々だった。町田くんと猪原さんを演じる新人のふたりが初々しい。それだけでもこれはふつうの青春映画ではない。
しかし、それだけで . . . 本文を読む
昨年の乱歩に続き、今年は安吾である。期待せずにはいられない。丸尾さんがどんな安吾を見せてくれるのか、従来のイメージを払拭し、新鮮な感動を与えてくれるものとドキドキしながら、劇場に向かう。
セットは昨年を踏襲する。向きだけを変えての対面舞台だ。この作品が続編としての立ち位置にあることを指し示す。では、どんなアプローチを見せるのか、お手並み拝見。テンポがよく、どんどん . . . 本文を読む
作品はとても小さなお話としてまとまってある。それでいい。このお話を大々的なメッセージで押し出すと、つまらなくなる。ささやかなお話でいいのだ。彼ら4人が体験したある日のできごと。戦時下、海軍省の一室を舞台にして、2人の津軽出身の男女と、2人の沖縄出身の男が、訳もわからないまま寄せ集められて、秘密の作戦に従事させられる。何のために、どういう理由で選ばれたのかもわからないまま、ここに連れ . . . 本文を読む