なんだかとんでもなくバカバカしい映画を見たくてこの映画を選んだ。福田雄一監督だからくだらないし、楽しいはずだ。しかも彼が初の本格ミュージカルに挑戦したというあほらしいさも買いだろう。
僕は元来ミュージカル映画は基本苦手だ。昔『シェルブールの雨傘』を見てずっこけたのがトラウマ。当時こんなアホな映画を見てられないと思った。確かまだ純真だった中学3年の時だ。純情な映画少年だった。あれが人生初ミュージカ . . . 本文を読む
高橋恵さんの最高傑作。ここ数本ますますレベルを上げてきていた彼女が満を持して挑む東大阪の町工場クロニクル。バブル期から現在までの30年にわたる哀感を描く。兄の死によって工場を継ぐことになった弟を主人公にして、この工場で働く工員たち、家族による群像劇だ。この場所を大切にして、ここを守るために必死になって生きる彼らの日常のなんでもない日々を丁寧に切りとっていく。
それぞれの秘められた想いが、ほんのち . . . 本文を読む
SSTプロデュース『彼方のソナタ』3人が丁々発止のやりとりをするのではなく、なんとなくお互いがビクビクしている。3人の間に微妙な距離があり、それがラストまで続くのがもどかしい。これは男3人によるアンサンブルであり、彼らの掛け合いの面白さで見せていく芝居なのだが、これではあまり弾まない。だが、それはこの芝居の拙さではなく、演出の意図だ。
当麻さんは敢えて流れをせき止めるような演出をする。彼らのやり . . . 本文を読む
平日の夜の回の上映だったのだが、なんと満席状態で驚く。それだけ期待されているという事か。『呪怨』の清水崇監督が久々に放つホラー映画。ダムの底に沈んだ村に繋がるトンネル。その先には呪われた村の記憶が今も残る。村人の生き残りには、そこで死んだ人々の姿が見える。呪われた子孫たちがたどることとなる記憶の底の村への旅。そこへと引き寄せられていく子どもたちによみがえる失われた記憶。あの村では何があったのか。な . . . 本文を読む