毎週土曜日の夕方、BSで寅さんを見ている。コロナの影響で家にいることが多いからこんな時間でも大丈夫なのだ。デジタルリマスター版の映像は見事で、こんなにきれいな画像で『男はつらいよ』を毎週見ることができるだなんて、幸せだ。この3月に『みんなの寅さん』を同じように毎日読んでいたのと並行して、これを毎週見るというのもなんだか運命みたいで、この7作目まで欠かさず見てきた。
今回ここまでを再見して、第1作 . . . 本文を読む
「家族に疲れた」というコピーが目を惹く。50代に入ったばかりの主婦が主人公だ。20歳になった娘はもう親の手を離れようとしている。仕事ばかりの夫は、彼女にかまわない。でも、何があるというわけではない。平穏な日常生活の繰り返しだ。今までもそうだったし、今だってかわらない。だけど、なんとなく憂鬱。そんな憂鬱と向き合い、彼女の心の動きを静かに描く。
これを読みながら、なぜだか、山田太一の傑作『岸辺のアル . . . 本文を読む
生真面目な郵便配達夫が主人公だ。無口で、不愛想。淡々と仕事をこなす。妻に死なれて、幼い息子を手放す。ひとりになる。でも、感情を表に出すことなく、今まで通りに黙々と仕事をこなして日々を過ごす。新しい出逢いがある。そんな彼のことを好ましいと思い、偏屈な彼を理解してくれる女性と出逢い再婚する。やがて娘も生まれる。だけど、彼はそんな幸せな日々に怯えている。以前のような哀しみ、不幸がまた起こることを恐れたの . . . 本文を読む