足掻き(あがき)と書いて「あしかき」と敢えて読ます。自転車を漕ぎ続ける足。その足を搔く。掻きむしる。そんないくつものイメージを掛け合わせていく。とても刺激的なタイトルだ。もちろん、彼らはここで静かにあがいている。そこから始まる。
お話の外枠には作家と編集者がいる。彼が書いている小説が劇中劇として描かれる。しかし、お話自体はこの小説が中心になる。そして、その物語の主人公である女性とその母親との関係 . . . 本文を読む
40歳独身女子。映画のプロデューサー。コンビを組んでいた監督が急死して、彼女は仕事を失う。自分の存在に何の意味もなかったのではないかと思わされる。監督をなくしただけで、お払い箱にされるのだから。
職を失い、たったひとりで、これからどうして生きていけばいいのかそんな彼女の戸惑う日々が描かれていく。自分が何をしたかったのか。自分に何が出来るのか。わからない。今まで自分のしてきたことは . . . 本文を読む
これもまた、たまたま見た映画だ。仕事と芝居の間で2時間ほど時間が空いて、その時間つぶしのために映画館に行く。だから映画は選べない。ちょうどこの映画だけが見ることが出来る時間にはまったので、見た。もちろん、見たくない映画ではなかったからよかった。でも前日の『天国にちがいない』のようなラッキーはなかなかない。残念ながらこれは思ったほど面白い映画ではなかった。真面目な映画だし力のこもった作品ではあるのだ . . . 本文を読む
ただ見つめている。目の前に映る出来事のひとつひとつを。そこには感動や怒りや、心の動きもない。ように見える。そこではとんでもないことや、なんでもないことが、無造作に展開している。ただ、見ている。今、自分が見ている世界の現実を、ただ受け入れるだけで、何のリアクションも起こさない。起こせないのかも知れないが。それは諦めなのか、それとも不安なのか。感情はどこかに行き忘れてきたように。
こ . . . 本文を読む