小林啓一がやってくれた。始めて見た彼の映画は『逆光の頃』だ。なんなんだ、これは、と驚いた。70分ほどの短い映画の衝撃は大きい。従来の映画文法に乗っ取らない作りはさりげなく大胆。でも、それを気負うことなくやっているのが凄いと思った。何かの間違いではないか、と思うほどに。だから、あの1本で彼を信じようと思う。それからずっと潜伏する彼をひそかに見守ってきたつもりだ。(というか、この名前を忘れなかっただけ . . . 本文を読む
これはなんと「今どきのアングラ芝居」なのだ。今頃アングラなんてと言われそうだけど、今頃だから凄いとも言える。20代の若い集団が何をトチ狂ったか、こんな芝居を本気で作る。ここで大事なことは彼らが本気だ、ということである。面白半分だとか、なんとなくだとか、たまたまだとか。そんなのじゃない。筋金入りの「今どきのアングラ」街道まっしぐら。女の子たちのパンチラを売りにするとかいうところの、したたかさも含めて . . . 本文を読む
ふだんはほとんどマンガを読まないのだが、たまたまこの作品の原作は読んでいた。こんな題材を扱うのか、と感心した記憶がある。それだけに今回の映画化は感慨深い。これがまさか映画になるのか、という思いもある。しかも芦田愛菜と宮本信子主演である。マンガも映画も最近渋い作品が出回っている。これはなんだろ、と思うような企画が通る。それくらいに人々の関心の範囲が広がっているということなのだろう。楽しい。
さて、 . . . 本文を読む
劇団50周年記念公演だ。50年劇団を維持し続けるだけではなく、常に攻めの姿勢を崩さないあり方が素晴らしいと思う。演出の熊本一は、今の劇団大阪の精力的な活動をしっかり支えているのだろう。
今回の50周年作品は、公募で選んだ。これは「劇団50周年記念戯曲募集大賞受賞作」である。自分たちの今からをその先までを見据えて、その土台を築き上げる礎となる、そんな台本を広く公募で集める。常に新しい出会いを求めて . . . 本文を読む
これもまた小さな芝居だ。これが今週3本目の芝居だが、3本とも同じように小さな作品。ようやく落ち着きを取り戻しつつあるとはいえまだまだコロナ禍の今、演劇公演はどうしてもこうなるのかもしれない。だが、それは寂しいことではない。反対に今までとは少し違う贅沢がそこにはある。これは座長であり作、演出を手掛けた久保田浩が、自分が今やりたかったことをやりたいままにやりきった、そんな作品になっている(のではないか . . . 本文を読む
週末なんと5本も芝居を見た。金土の二日で、だ。こんなのはほんとに久しぶりのことだ。まるで以前の日常が戻ってきたみたいだ。でもコロナが始まる3年前まではそんなのが普通だった。でも、もうそんなふうに芝居を見ることはないかもしれない。今週末5本見たのが奇跡かもしれない。
そんな5本の1本目がこの作品だ。「空の驛舎短編集」と題された3本の短編を1プログラム2本ずつにして1日で、3番組上演。それぞれ異なる . . . 本文を読む