重厚な時代劇大作だ。公開がコロナのせいで2年間も延期になり、ようやくの劇場公開である。待ちに待った本格時代劇なのだが、思いのほか地味で小さな映画だったので驚く。スケールの大きな作品だと勝手に思い込んでいた。でも、この作品はそうではない。ひとりの男が信念を貫き、殉じた。その事実を丁寧に追いかけただけ。大仰な感動巨編を目指すあざとさはない。彼が何を思い、何を感じ、考え行動したか。自分の信念を曲げず、み . . . 本文を読む
ベルナー・ヘルツォークを見るのは久しぶりだ。初めて見たのは今は亡き梅田ピカデリーで見た「ドイツ映画祭」かなんかで上映された『フィツカラルド』。これは衝撃的だった。その後、『アギーレ 神の怒り』が劇場公開され、「ヘルツォーク映画祭」かなんかで特集上映もされた。夢中で見た。あれは80年代前半の話だ。ヘルツォークだけではない。あの頃は楽しかった。いろんな映画が日本に入ってきて続々と紹介された。今まで日本 . . . 本文を読む
なんと3時間の映画だ。1931年のベルリンを舞台にして、ひとりの青年の魂の彷徨を描く。時代は不穏な空気に包まれ、やがてはナチスが台頭してくる。(2年後だ!)そんな時代に生きた20代の作家志望の青年ファビアンの日々を描く。そこで描かれるのは一応「恋と友情」か。彼が関わるふたりの男女とのお話が中心になる。女優志願の恋人。裕福な友人。ファビアンが彼らとの交流を通してどこに行き着くのか。もちろんこのふたり . . . 本文を読む