このタイトルからしてイカレてる。どんな沼ですか、ちゃんとしてる、って、という突っ込みなんかものともしない。『メン・イン・ブラック』のパロディもあるけど、それよりも何よりもまずこれは三木聡の『インスタント沼』でしょ、と思った。というか、それってただの「沼つながり」だったのだが、ここにきて初めて月曜劇団のテイストって、三木聡だったのか、と気づく。そんなこと、思いもしなかった。でも、あの脱力系コメディとに共通点はあるような、ないような。(それってどっち!) まぁ、なんだか微妙。
しかし、あまりに直球で、最初から「沼人」が出てきたから、驚く。緑色で、手には水かきがある。それって「河童やん」という突っ込みを入れる前に、「河童ではない、」と彼女が自分から言う。そうである。この彼女、を演じるのはもちろん西川さやかだ。目が大きな彼女が顔を緑で塗りこめると、目が以上に突出する。その目力に圧倒される。そこにはいたずらな説得力がある。
この沼人は、町に出てきて、人間の家に行く。主人公の主婦、ゆら子(中村真利亜)は、沼人のたま子とのファーストコンタクト時、なんだか素直に受け入れてしまう。だから、ふたりは、すぐに仲よしになる。たま子の娘のこだま(西川の二役。全くそのまま同じ姿で、演じわける。というか、それって演じ分けてはいないけど)もやってくる。ストーリーとしてはこういう設定からはふつうなら『E・T』になるはずなのだが、なりそうでならない。
全編、微妙にずらす。定番の展開を踏襲するように見せかけ、しない。とか。異常なことが普通、とか。そして気がつくと、これはなんだかちゃんとしたラブストーリーになる。夫婦愛の物語だなんて、思いもしない。
ゆら子は、たま子に夫のことを相談する。最近、異常に疲れて帰ってくる、とか。仕事が忙しすぎてすれ違う毎日が苦しいとか。わたしを避けてるのではないか、とか。(それって、みんな同じことじゃないか)彼はもしかしたら浮気しているのではないか、とか。
これって沼人の話でなくてもいいじゃないか、とも思わせる。いや、実際、この展開において、たま子は別に「沼人」である必要性はない。(そうなると、『メン・イン・ブラック』が必要なくなるけど)だが、問題はそこではない。シングルマザーの大変さ、とか、まで踏み込むのだが、それもまぁ、たまたま。
自分の夫がどんな人なのか知らないまま、結婚した。でも、彼が大好きで、それがすべてなのだ。実は彼は彼女の記憶を操作していた。沼人を捕まえるための組織で働いていたけど、彼女との結婚のため辞めた、らしい。えっ、人間世界に潜り込むために結婚したのではないのか。結婚は、最初はただの隠れ蓑で偽装でしかなかったはずだった。とか、こんな感じの話がちゃんと用意されてはある。
だが、本当はそんなのはどうでもいい、という気分にさせるのが月曜劇団だ。基本設定をどんどん反故にして平気なのだ。どんどん横道に逸れていく。でも、ちゃんと着地点では「夫婦愛」になり、なんとそこに感動させられるなんて、思いもしなかった。なんと最後は『時をかける少女』を思い出させるような胸キュンなストーリーになるのだから、恐れ入る。
しかも、今回は、なんとあのエル・ニンジャの秘密までもが明かされる。悪のエル・ニンジャとの戦いとかもあるのだ。もうここまで来たら、これはなんの芝居なのか。それって、月曜劇団の芝居の中でやるべきものなのか? あれもこれも、なんだか、わけがわからないけど、大丈夫。バカバカしい話を真剣に見せていくと、わけのわからないまま感動の世界に誘われる。これはそんな不思議な芝居なのである。(ということにしておく)
しかし、あまりに直球で、最初から「沼人」が出てきたから、驚く。緑色で、手には水かきがある。それって「河童やん」という突っ込みを入れる前に、「河童ではない、」と彼女が自分から言う。そうである。この彼女、を演じるのはもちろん西川さやかだ。目が大きな彼女が顔を緑で塗りこめると、目が以上に突出する。その目力に圧倒される。そこにはいたずらな説得力がある。
この沼人は、町に出てきて、人間の家に行く。主人公の主婦、ゆら子(中村真利亜)は、沼人のたま子とのファーストコンタクト時、なんだか素直に受け入れてしまう。だから、ふたりは、すぐに仲よしになる。たま子の娘のこだま(西川の二役。全くそのまま同じ姿で、演じわける。というか、それって演じ分けてはいないけど)もやってくる。ストーリーとしてはこういう設定からはふつうなら『E・T』になるはずなのだが、なりそうでならない。
全編、微妙にずらす。定番の展開を踏襲するように見せかけ、しない。とか。異常なことが普通、とか。そして気がつくと、これはなんだかちゃんとしたラブストーリーになる。夫婦愛の物語だなんて、思いもしない。
ゆら子は、たま子に夫のことを相談する。最近、異常に疲れて帰ってくる、とか。仕事が忙しすぎてすれ違う毎日が苦しいとか。わたしを避けてるのではないか、とか。(それって、みんな同じことじゃないか)彼はもしかしたら浮気しているのではないか、とか。
これって沼人の話でなくてもいいじゃないか、とも思わせる。いや、実際、この展開において、たま子は別に「沼人」である必要性はない。(そうなると、『メン・イン・ブラック』が必要なくなるけど)だが、問題はそこではない。シングルマザーの大変さ、とか、まで踏み込むのだが、それもまぁ、たまたま。
自分の夫がどんな人なのか知らないまま、結婚した。でも、彼が大好きで、それがすべてなのだ。実は彼は彼女の記憶を操作していた。沼人を捕まえるための組織で働いていたけど、彼女との結婚のため辞めた、らしい。えっ、人間世界に潜り込むために結婚したのではないのか。結婚は、最初はただの隠れ蓑で偽装でしかなかったはずだった。とか、こんな感じの話がちゃんと用意されてはある。
だが、本当はそんなのはどうでもいい、という気分にさせるのが月曜劇団だ。基本設定をどんどん反故にして平気なのだ。どんどん横道に逸れていく。でも、ちゃんと着地点では「夫婦愛」になり、なんとそこに感動させられるなんて、思いもしなかった。なんと最後は『時をかける少女』を思い出させるような胸キュンなストーリーになるのだから、恐れ入る。
しかも、今回は、なんとあのエル・ニンジャの秘密までもが明かされる。悪のエル・ニンジャとの戦いとかもあるのだ。もうここまで来たら、これはなんの芝居なのか。それって、月曜劇団の芝居の中でやるべきものなのか? あれもこれも、なんだか、わけがわからないけど、大丈夫。バカバカしい話を真剣に見せていくと、わけのわからないまま感動の世界に誘われる。これはそんな不思議な芝居なのである。(ということにしておく)