習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『キックアス ジャスティス・フォーエバー』

2015-03-13 19:23:10 | 映画
『キックアス 2』である。前作があまりに強烈過ぎたから今回はあまり期待できないと思った。監督も変わったし、お話がどうにもつまらない。でも、DVDでなら、見てもいいかぁ、と思いレンタルしてきた。やはり、予想通りの作品で見るまでもなかった。

前作は『バットマン』だったけど、今回は『アベンジャーズ』である。今時のヒーローはとかく群れたがる。弱い奴ほどひとりでは何もできないから、そうなるのだ。今回のキックアスでは、ヒーロー軍団が悪の軍団と戦うという図式。さらには、ヒットガールが普通の女の子になろうとしたり、ヒーローものの王道からは外れる。この映画の魅力は幼かったクロエ・グレース・モレッツが健気にもたくましく戦く姿にあった。なのに、今回、思春期になって女の子に目覚めた彼女が、おしゃれや恋にチャレンジする。それはないわ、と思う。もちろん、本人も嫌気がさしてもとの彼女に戻るのだが、そういうどうでもいいようなお話で時間を取るのはバカバカしい。結局ネタがないからこういうことになるのだ。

でも、こういう展開もまた、「ヒーローもの」PART2における王道かもしれない。当然前作のような痛快さはここにはもうないし、作品としてもパワーダウン。そして、結局は二番煎じはダメという話になる。つまらない。

だいたいこの手の話は、『バットマン』以下、「本家」のヒーロー映画が散々やりまくっている。悩むヒーローはつまらない。(それで成功したのはクリストファー・ノーランによる『バットマン』シリーズくらいだ。もちろんティム・バートンの方ではない。)これはノーテンキな「ヒーローもの」なのだから、もっとドーンと構えて欲しい。まぁ、キックアスは普通の男の子がヒーローになる話なので悩むのは仕方がないことか。(でも、それはバットマンも、ゼブラーマンもそう。彼らは、もともとは超人ではない)しかも、彼は軟弱男子だし。せっかくの従来のヒーロー映画を逆手にとった映画の続編なのだから、もう少し上手いひねりが欲しかった。これではあまりにありきたりすぎる。ジム・キャリーまで引っ張り出したのに、あんまりだ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 角田光代『笹の舟で海をわたる』 | トップ | 柚木麻子『本屋さんのダイアナ』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。