11人の作家による短編連作。タイトルが全体のテーマになっている。それぞれが自由にこの課題に対してアプローチをかける。もう「大人だから」というある種のあきらめがテーマになっているものが多い。大人ということを肯定的に捉え、大人だからこんなに凄い片思いができるんだ、なんていうアプローチをする作家は残念ながらいなかった。
片思いというのは、若い子の特権ではない。大人だって片思いをする。ただ、片思いって、やっぱり切なくて、幸福な片思いなんてものはないのかも知れない。
そんな中、角田光代『わか葉の恋』は、かなりいい線をいってる。ほんの少し幸せな気分にしてくれる。片思いは成就しないから、片思いなのだが、成就しないということが、こんなにも素敵なことだ、なんて思わせてくれる。
家の近所の定食屋で、時々出会う若い男の子。彼を見ると幸せな気分になる。そんな女性を描く。何があるわけでもない。ただ、目と目がを合うと、挨拶を交わす。そんなさりげない付き合い。話もしたことがない。もちろん相手の事はないも知らないけど、お互いに相手の事を好ましいと思っている。恋愛なんかに、発展することはない。だから、安心して、ドキドキできる。これってたぶん最高の片思いだろうと思う。
片思いというのは、若い子の特権ではない。大人だって片思いをする。ただ、片思いって、やっぱり切なくて、幸福な片思いなんてものはないのかも知れない。
そんな中、角田光代『わか葉の恋』は、かなりいい線をいってる。ほんの少し幸せな気分にしてくれる。片思いは成就しないから、片思いなのだが、成就しないということが、こんなにも素敵なことだ、なんて思わせてくれる。
家の近所の定食屋で、時々出会う若い男の子。彼を見ると幸せな気分になる。そんな女性を描く。何があるわけでもない。ただ、目と目がを合うと、挨拶を交わす。そんなさりげない付き合い。話もしたことがない。もちろん相手の事はないも知らないけど、お互いに相手の事を好ましいと思っている。恋愛なんかに、発展することはない。だから、安心して、ドキドキできる。これってたぶん最高の片思いだろうと思う。