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映画・演劇のレビュー

『僕らの世界が交わるまで』

2025-02-11 21:43:00 | 映画
昨年公開された映画。A24作品。ジェシー・アイゼンバーグ監督のデビュー作。アメリカ映画にだって、こんな作品があるのだなと感心した。もちろんA24だから有り得た作品であろう。普通なら商業映画としてこの内容はない。

ジュリアン・ムーアが主演している。彼女と高校生の息子の話である。穏やかな家族。母はDV被害者のシェルターを運営する。息子は配信ライブをして2万人のフォロアーが自慢な高校生ミュージシャン。そんな母と子のすれ違いを描くコメディ映画、らしい。

息子の恋の話がメインにはならない。どちらかというと母と彼女が保護する高校生の話の方がメインになる。彼女は善意から(言うことを聞かない息子の代わりに!)他人の子供を守ろうとして失敗する。お節介のレベルを逸脱してしまう。自分が寂しいからだ。表面的には上手くいっているように見えて壊れている家族のふたりの話を並行して描きながら、お互いの失敗からの再起を描く。母と息子が歩み寄るまでが描かれる。

Amazonの分類ではこれはコメディ、とされていた。だけどこれは絶対コメディ映画なんかではない。シリアスなヒューマンドラマだと思うけど、なんかこんなタイプの映画は分類が確かに難しい。

映画は地味だけど、微妙なバランスを保ってラストまで見せてくれる。なかなかの佳作である。

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