大好きな村山早紀の新刊である。早く読みたかったけど、他に先に読む本(予約があり早く返却したい本)があり、少し後回しにした。ようやく今朝から読み始める。
5話からなる短篇連作。最初の『星降る町で』はクリスマスの日の話。失恋してひとりぼっちのイブの夜、仕事帰り、雪で滑り階段から落ちて怪我をしたついてない男の子。1匹の迷子猫に出会う。ひとつの出会いから新しい出会いにつながる奇跡のファンタジー。
不思議な猫とささやかな魔法による奇跡。心温まる物語が続く。5作とも同じパターンだけど、それぞれ違う切り口で見せてくれる5人の物語。昭和から令和まで、クリスマスから春,夏、次の2月まで。描かれるものは、時空を超えてあり得たかもしれない並行世界。あり得ないけど、あり得ること。亡くなった彼がずっと前からそこにいたこと。新しい世界に出会うために一歩踏み出すこと。そんな5つのお話はそれぞれ心に沁みる話ばかりだ。
だから丁寧にひとつずつ読み進める。もったいないな、と思いつつも気がつくと一日中読んでいて、たった1日で読み終えてしまった。残念だけど仕方ない。
だけどひとつひとつをしっかり胸に留めておく。