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映画・演劇のレビュー

『喜劇急行列車』

2025-01-07 05:18:00 | 映画
懐かしい映画をたまたま見ることにした。Amazonでも配信中だから、見たかったらいつでも見ることは出来るけど、わざわざ今見たいものではない。だけど、お正月映画としてBS松竹東急がわざわざゴールデンタイムにオンエアしてくれているから、なんとなく暇だし、見始めた。

この映画は忘れもしない。中学生の時、お正月の深夜に見た、はずである。何故かとても印象に残っている。いい映画だった、と。もちろんたわいない映画だということは今ならわかっている。だけど当時は好きだった。

東京から長崎まで急行列車が走る。車掌である渥美清による人情コメディ映画である。まだ寅さんになる前の彼のヒット作。シリーズになり3本作られた。(続編である2本はつまらない、と当時の僕でさえ思った記憶がある)

昔見た時はCM込みで90分枠だったはずだから、実質75分くらいのヴァージョンであろう。今回はノーカットである。(ただしコマーシャルは膨大)デジタルリマスター版なので画像は綺麗だった。じつは今シネヌーヴォーで瀬川昌治監督特集が上映されていてその中にこの映画も入っている。それにしても瀬川監督のレトロスペクティヴなんて、よくやるなぁと思う。あまりにマニアックな企画。こんな企画に観客が集まるのか、と心配になる。僕は彼の映画は嫌いじゃないけど。この作品を久しぶりに見てよかった。

こんな映画が昔はたくさんあった。これは1967年作品。僕が見たのはたぶん1974年の年末年始の頃だろう。14,5歳。あの頃から映画が大好きになっている。もう50年も前のお話である。ということは僕はなんと50年振りにこの映画を見たのか!

ほのぼのとして、いい映画だった。これは松竹映画ではなく東映映画だったことにも驚く。東京駅から長崎までの列車での旅。もう新幹線も走っている時代だけど(東京から大阪まで、だと思う)夜行列車の長旅は楽しかった。僕が寝台車に(最後に)乗ったのは新婚旅行で東京に行った時だ。東京から尾道までの旅。大阪から東京まで行き3日過ごした後、『東京物語』を踏まえて尾道に旅した。尾道では『転校生』のロケ地巡りツアーをした。まだあの当時聖地巡礼なんてなかった頃。だけど僕たちだけでなく、同じ目的で町歩きをしている人は何人もいた。

あれからでさえ40年以上が経つ。この映画だけでなく、これまであまりにたくさんの映画を見た。ということで、今年もよろしく。(誰に言ってるのやら)

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