80年代にまさかの大ヒットを記録したおバカ映画だが、今見たら(当時も、だが)あまり面白くないし、なんであんなにヒットしたのか、誰もわからない映画シリーズの最新作。
昨年たまたま旧シリーズのアイバン・ライトマン監督の息子、ジェイソン・ライトマンが監督したリブート作『ゴースバスターズ アフターライフ』を見たが、あれはなかなか面白かった。旧シリーズとは違い地味でいささか静かな映画で驚いた。父親とは違う世界をジェイソンは作ったのだ。しかも父へのリスペクトを忘れずに新しいゴースト・バスターズを田舎町を舞台にした映画として描いた。
あれから2年、監督は今回前作の脚本を手掛けたギル・キーナンにバトン・タッチして、ジェイソンは脚本に回り再びニューヨークに舞台を戻しての新作である。更にはオリジナルキャストであるビル・マーレイやダン・アイクロイドたちも招集した。(ふたりともおじいちゃんになっている)完全リニューアルしたゴースト・バスターズ。もちろん前作のあの家族がNYにやって来て新生ゴースト・バスターズを家族経営で行う。
街中で暴走するゴーストドラゴンを捕獲する冒頭の捕物シーンは凄く楽しいし迫力もある。だが派手なだけで退屈な映画ではない。
映画は本編に入ってからもテンポよく、でも、のんびりとした話が展開する。これは昔ながらの娯楽映画のノリだ。マーベルやDCのヒーローものみたいなバカ派手で目まぐるしいだけの慌ただしい映画ではない。
『フローズン・サマー』という日本版タイトルもいい。(原題は『フローズン・エンパイア』)何より主人公である15歳の少女を中心にした家族経営ゴーストバスターズっていうのは楽しいし素敵だ。今回も子どもたちが主人公である。
ラストでは高らかにあの軽快なオリジナルテーマソングが流れる。父である今は亡きアイバン・ライトマンへの献辞も胸に沁みる。