とてもよくできている。このバカバカしい設定を、安直に見せるのではなく、とことん徹底してやり尽くしているから、素直に楽しめる。あきれることなく、青春のキラキラを、これでもか、これでもか、とやりすぎるまで、やる。そんなふうにして、ちゃんとみせつけてくれるのが潔い。(この人たちは確信犯なのだ!)だから、見ていて腹が立たない。現実ではこんなこと、ありえない、と誰もが知っているし、突っ込みどころ満載のお話なのだけど、夢の中なら、これはこれでOKなのだ。
そう、これはきちんと夢をみせてくれる映画なのだ。嘘のような恋愛に酔わせてくれる。嘘の話をとことんする。すると、全く嫌味じゃなくなる。それどころか、ほんとになる。そういう映画を作ってしまった。最初から最後まで手を抜くことなく純度100%の男女4人の恋愛映画。4人はトムとジェリーのように、追いかけっこする。なかよくけんかする。
山本美月が、ただただひたすらにかわいい。彼女を見ているだけで、幸せになれる映画なのだ。そんな彼女が派手で遊びなれた女の子(のように見える、らしい女の子)を演じているのだけど、まるで説得力がない。でも、そんな嘘クサさがとてもいい。そして、永野芽都がおとなしそうに見えて悪魔のような女を演じているのだけど、こちらも憎めないし、かわいい。これはなんだか「おままごと」のような映画なのだ。だけど、それがこの映画にはピタリとくる。思わぬ拾いもの。見てよかった! かなりハッピー。