このゴンドラは、ジョージア南部の小さな村フロというところに実在し、ジョージアで最も長い距離をつなぐゴンドラとして知られているらしい。『ツバル』や『ブラ!ブラ!ブラ!』のファイト・ヘルマーが監督。今回もまたいつも通りセリフのないファンタジー映画。ふたりの女の子たちが働いているゴンドラ🚡 お仕事ムービーだけど、途中からお遊びムービーになる。ふたりの幸せな遊びはみんなを巻き込んでいく。
あり得ないけど、あり得たら楽しい。だけど、こんなことをして遊んでいられるようなところは世界にはない。これは夢の世界だ。だけど、ジョージアには確かにこんな村が実在して、あのゴンドラは観光地として稼働している。なんだか素敵。
昨年の傑作『ジョージア 白い橋のカフェで会いましょう』もタイトル通り、ジョージアが舞台の素敵な映画だった。ジョージアって夢の国なんだろうか? もちろんこの世界にはいろんなところがあるだろう。僕たちはそこにはいないけど、夢のような国はある。反対に悲しいけど悪夢のような世界も実在する。戦火の中で暮らしている人たちもいる。
この不思議な映画を見ながら、幸せだけどなんだか少し悲しくなってくる。ラストでふたりはここから去っていくことになるのか。あんなに素敵だった日々はいつか終わりがくるのか。ゴンドラの利用者はほとんどいないけど、あれで採算は取れているんだろうか、そこも心配。
冒頭の葬儀や、この村に彼女がやって来た時の閉鎖的な村人の対応はなんだったのだろうか。これは決してただのハッピーな映画ではない。