奥田英朗「純平、考え直せ」

              

 大好きな奥田英朗の新作ですが、作品名と表紙絵を見てパスとしたのですが、どこかの新聞で面白いと書かれていて(そもそもこんな書名の作品が日曜読書欄では普通取り上げられません)、それじゃあと手に取りました。

 いやぁ面白かった。どこで本を開いても楽しさ、ワクワクが確実に展開する鉄板の読書する喜びがありました。奥田英朗はやっぱり最高です。歌舞伎町を本拠とする暴力団の下っ端の純平、暴力団の抗争の中、ヒットマンに指名されます。最低でも懲役6~7年は覚悟する中で親分、兄貴からお金を貰い、3日間の自由を謳歌します。そこで出会う人々(この脇役の人物描写が著者の十八番)との交流がこの本のメインです。知り合った女がネットに純平のことを投稿してしまい、様々なコメントが寄せられ盛り上がります。

 考え直せ、止めておけという声を聞き、コメントを読んだ純平はどうするのか・・・。気軽に楽しい時間を過ごせる最高のエンターテーメントです。




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