ムローヴァ「バッハ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ集」


 

 バッハの無伴奏の素晴らしい演奏を言葉で表現するのは難しいです。どんな言葉よりも、もっと大きく、もっと透明で、もっと深いものに感じます。ヴィクトリア・ムローヴァによる演奏です。残響の長い録音も相俟って、もともと曲が持つ神々しさが増幅されています。シェリングの演奏で聴ける地平線のどこまでもどこまでもずっと先まで広がる感覚とも違う、時空を超えた不思議な存在感があります。


 2007年の録音。とてもいいという評判を読み、今頃になって聴いて驚いているところです。手許にあったアバド、ベルリンフィルとのブラームスのコンチェルト、東京ライブのディスクが1992年でした。まさに円熟の演奏です。







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