秋風が緩やかに流れる室蘭八景の一ヵ所、トッカリショ浜からの眺望です。道路沿いに
設置されている展望所に立つと、青い海原を前面に海面からそそり立つ奇岩と断崖絶壁
が目に飛び込んで来ます。
トッカリショ浜の地名はアイヌ語を語源とする。市内に限らず道内各地にはアイヌ語に
もとづく地名が多く存在しています。
トッカリショ浜の断崖の上で、コハマギク(小浜菊)が清爽な花を咲かせています。自生
している場所は、凝灰岩の上の薄い表土や岩石の隙間など。過酷な環境下で健気に花を咲
かせています。
コハマギクは 道内の太平洋側の海岸部の岩場や崖に自生する、キク科の多年草です。
オオノアザミ(大野薊)。鮮やかな紅紫色の花を上向きに咲かせます。自生地は本州の
北部から道内の南西部、冷涼な地域を好むアザミです。
トッカリショ浜に隣接する 地球岬は道内を代表する景勝地。眼下にエメラルドグリーン
の海面と遥か遠く、太平洋の大海原が広がる。視界を遮るものがなく水平線が湾曲して
見える事が地名の由来です。
八角形の白亜の灯台は海抜131mの断崖の上にそそり立つ。展望台は海面から147m
の高さ、全国的にも展望台が灯台より高い位置に在るのは稀な光景では⁉
穏やかな秋の海です。遥か遠くの水平線が横に長く弧を描く。
灯台は、土木学会選奨土木遺産や「日本の灯台50選」に選定されています。
展望台のすぐわきには、海面からの高さ156mの馬の背がそそり立つ。岩石だらけの
急斜面で、コハマギクが岩石の隙間に根を生やし可憐な花を咲かせています。
帰路の道すがら・・・
カエデ類の紅葉が始まる。ガマズミの実が 秋の陽射しを受けて輝く。