絵鞆半島を東西に縦走する測量山観光道路。眩しいほどの新緑のアーチの
中を走る。半島は、外海から隔てるように 港と市街地を抱きかかえ、噴火湾に突き
出る。道路の両脇には、鬱蒼と古木が生い茂る手付かずの林が広がっています。
半島の太平洋側には、海面から100mほどの切り立つような断崖絶壁が連なり
道内でも屈指の景勝地が点在する。
眺望は、室蘭八景の一つ マスイチ。いつもは、海から吹き上げる強い風に身構える
が、今日は、5月の風が心地よく吹き抜けて行きます。
先日まで、道路沿いに咲いていたニリンソウやエンレイソウなどの春の山野草
は、すっかりと姿を消す。入れ変わるように初夏の野花の筆頭、コンロンソウの花が
道沿いで花を咲かせ始めています。
ここに立つと何時も、眼下に見える小さな浜に降り立ってみたいと思う。垂直に
切り立つ断崖を下り降りるのは少々無謀かと思いながらも、諦めきれずにいる場所
です。
絵鞆半島の最西端は絵鞆岬。展望台は海に迫り出すように建つ。眼下、遥か
彼方まで噴火湾の海原が広がる。
右に室蘭港の外防波堤と大黒島。中央の小さな岩礁は、海鳥の楽園、恵比寿島の
眺望です。
絵鞆岬から僅か、坂道を廻り込むように下ると室蘭港。半島を縦走した時に必ず
立ち寄りカメラに撮り込む、エンルムマリーナ近傍からの港の光景です。
このところ春先を思い返すような、季節外れの陽気が続いていた。一転、午後
からは、空を覆い隠していた雲間から 清々しい初夏の青空がのぞく。
この場所は、いつも散歩道として利用している居住地の最も北端を走る生活道路。
雑木林が途絶えた道際から眺める、緑陰が濃さを増し始めた室蘭岳方向の眺望で
す。
散歩のつど、足を踏み入れる道沿いの雑木林。春先には華やかに花を咲き競
っていた山野草は、すっかり影を潜める。
かわって、春~初夏の季節を取り持つように、マイズルソウとクルマバソウが細い
花茎を薫風になびかせながら、可憐な花を咲かせています。
クルマバソウ(車葉草)、花は小さく純白。8枚の葉が車輪を思わせるように輪生
することが花名の由来。艶やかな葉と純白な花とのコントラストが 清楚な雰囲気を醸
し出している。
物の本を引用すると、枯れると芳香を放すことから、ワインやリキュールの香り付け
に利用される野花です。
マイズルソウ (舞鶴草)。毀れ日が射す林の中、左右に広げた葉の中心から、
花茎を伸ばしコンペイトに似た個性的な花を咲かせています。花も草姿も小さく地味
だが、毎年この季節になると林の中での主役は、このマイズルソウです。
クレマチスモンタナは、薄桃色の可憐な花を咲かせる。このところの陽気で、茎
が撓むように、蕾を付け開花を待つばかりです。茎の長さは6mほど、間もなくすると
花数を数えきれないほどの花を咲かせ始めます。
エリヌス アルピヌスの和名は岩唐草。花径1cmにも満たない小さな花を咲かせ
ています。草丈も20㎝ほどと低く、全てがコンパクト。原産地は、ヨーロッパ ピレネイ
山脈などの岩場に自生する植物です。上の画像は、軽石製の鉢で栽培。下の画像は
毀れ種で増えた露地栽培の株です。株の広がりが遅く、この株で3年が経過していま
す。
カンアオイ(寒葵)の一種と判明。品種名は未だに不明だが、長年 草名が分か
らなかった植物です。
里芋の葉を小型にしたような葉形と 葉の表面に入る斑が庭の片隅で落ち着いた雰
囲気を醸し出しています。
フチンシア アイスキューブは、アブラナ科の植物。小さな小さな花を咲かせてい
ます。葉も小さく茎は地を這うように広がります。ある文献ではマイナス25℃の寒さに
も耐える。元々の自生地は、ヨーロッパの高山地帯。寒さをもろともしない多年草です。
我が家では、ヒューケラの銅葉と緑葉の2種類を栽培しています。この画像は
夕日に向かいカメラに撮り込んでいますので、赤系統の葉に見えるでしょうが、実物
は、深みのある銅葉です。花だけでなく、葉もカラーリーフプランツとして目を楽しまし
てくれる。当地の厳しい冬の寒さにも葉を枯らすことがない、常緑耐寒性多年草です。
ヒダカミセバヤは、日高地方に自生する道内の固有種。いまの季節、白緑色
の多肉質の葉を茂らした草姿も魅力的。 夏の終わり頃になると、赤紫色の小さな星
形の花を咲かせます。
ズミ(酸味)。細い枝を風に靡かせて花を咲かせている。花は小振りだが、何処
か桜の花に似ている。白い花弁の先端には、薄っすらと紅が差す。さらに、蕾の内は
鮮やかな紅色、花とのコントラストが美しい花木です。
ズミの低木は、隣町 陣屋町の道路際の藪に1本だけ。鳥が運んだ種が時と共
に成木となったのか周辺の野山では、見かけない樹木です。
穏やかに静まり返る5月の朝。日の出時間から僅かな、室蘭港の光景です。
今日、当地の日の出時間は4:05分。この時期から、6月中旬頃にかけて朝の
明ける時間が、一年の内で一番早い季節を迎えています。
イリスクリスタータは、極小型なアヤメ。草丈は20㎝ほど、花は、純白な花弁に
黄色のアクセント模様が入る。 キリッとした薄緑色の葉と花のコントラストが爽やか
。初夏の庭を飾ってくれる 北アメリカ原産の多年草です。
アジュガ。真っ直ぐに伸ばした花茎に、青紫色の花を幾重にも重ねるように咲
かせる。別名は、十二単と優雅な花名を持つ。日陰でも生育は旺盛、グランドカバー
としても最適な多年草です。
家から車で数分走ると高台に広大な牧草地が広がる。一ヶ月ほど前には一面、
薄茶色だった牧草地。今の時期を迎えると、緑のジュータンを敷き占めたかのよう
に、大きく景観を変える。
この場所に立つと、後方には室蘭岳の山容。手前側に振り替えると、室蘭港と噴火
湾を眼下に望める。さらに、立木の右側には居住地の家並み。この牧草地は季節
の移り変わりを色濃く見せてくれる場所です。
牧草地に通じる道路沿いの崖の上に、小規模ながらシラネアオイの群生地があ
る。薄ムラサキ色の花を風に揺らしながら、今を盛りと爽やかな花を咲かせています。
近傍でのシラネアオイの自生地は、隣町、伊達市の北側に聳える標高715mの
伊達紋別岳が有名。
この場所は、海岸線からの高さは100mほどの丘。シラネアオイの花を身近に見る
事の出来る小さな自生地です。
浜に心地よい、潮の香が流れる。イタンキ浜は、日本の渚百選にも指定されて
いる風光明媚な砂浜海岸。東西に、長さ約1.7キロメートルの砂浜が広がる。
浜の後方には、垂直に切り立つ100mほどの海食岩の断崖絶壁が屏風のように立
ちはだかる。※断崖の下の浜に小さな3名の人影が。比較していただきますと、断崖の高さが推測できるかと思います。
さらに、この浜を起点にして 西の方角には断崖絶壁の海岸線が10キロほどに渡り
連なる。市内は元より、道内を代表する景勝地が点在しています。
浜は、6月初旬頃から咲き始めるハマナスの群生地でも有名。この時期には、
海岸段丘にエゾイワハタザオ(蝦夷岩旗竿)が、5月の潮風に花茎をなびかせながら
咲き競っています。エゾイワハタザオは、本州東北地方以北から道内の砂礫地や岩
場に自生地する、アブラナ科の多年草です。
イタンキ浜は、年間を通して道内屈指のサーファーのメッカ。夏は海水浴、今の
時期は、近隣に居住される方々の絶好なウォーキング場所。冬の厳寒期を含めて人
の気配が絶えない市街地に隣接した鳴り砂海岸です。
浜の花シーズンの2番手、ハマエンドウ(浜豌豆)が開花し始めた。もう暫らくする
と、砂浜の段丘は赤紫色のハマエンドウの花が咲き乱れます。
イタンキ浜は、浜の両側の風景が大きく異なる。西側の景観に比べ、穏やかな
雰囲気が漂う東側の浜の眺望です。中段の画像、左側に市街地が隣接しています。
当地では、5月の中旬頃になると一斉に庭の花々が咲き始める。今、庭で咲い
ている主な花々です。
ミヤマオダマキ(深山苧環)が、独創的な花を俯き加減に咲かせ始めた。青紫色の
花びらのように見えるのは萼片。本来の花は中央、5枚の白い花弁が円筒形を造る。
毎年、秋に採取した種を庭の方々に、散らすように蒔いておくだけで翌年、株を増や
す。いたって手のかからない耐寒性の多年草です。
セイヨウオダマキ。ミヤマオダマキに比べると、花の形も花色も艶やかで種類も
豊富。この花は、冬のあいだ屋内で育ててきた鉢植え栽培のオダマキです。
プリムラ系の花は、我が家の庭では4種類。中でも、このポリアンサは花は大
きく色も鮮やか。下の画像のプリムラは、ジュリアンと黄色の花弁のベリスです。
ワスナグサ(勿忘草)。5枚の瑠璃色の小さな花弁が美しい。さらに、花の中央に
は、リング状の黄色の模様がアクセントの可愛いらしい花です。
ヨウシュクモマソウ(洋種雲間草)。小さな株は地表に張り付くように広がる。細い
花茎を伸ばした先端に紅色の可憐な花を咲かせています。
当地では、クリスマスローズも この時期に花を咲かせます。冬の間は庭に積も
った雪の下で、緑色の葉を付けたままで冬を越します。極めて寒さに強い多年草です。
数年前に知人から頂いたカッコウソウ(郭公草)。赤桃色の花と薄緑色の葉との
コントラスが艶やかな花です。
アラビス・プロクレンス。今の季節、我が家の庭の主役です。細い花茎の先端に
アブラナ科 特有の4弁の小花を密に付け、そよ風になびかせながら咲いています。
生育は旺盛、ランナーの先端にロゼット状の小株を付け、地を這うように広がり株を
増やす。さらに、挿芽の発根率は高く株を増やす事は容易。グランドカバーとして最適
な植物です。