数日振りに、早朝から初夏の清々し空が広がりました。今の季節にしては珍しい高層雲が、西の方角か
ら五月晴れの空をキャンバスに、躍動感をみなぎらせながら東の空に向かって流れて行きます。
本輪西八幡神社は、明治7年に宮城県角田市の磐都嶺八幡宮から 奉納された御分霊が鎮座する。
神社は小高い丘の上に建つ、境内地の広さは約5000坪。そのほとんどが、室蘭市の保存樹林に認定
されている鬱蒼とした鎮守の森に囲まれた神社です。
神社の建築様式は、研ぎ澄まされた美しさを持つ神明り造り。特に屋根の勾配が特徴的、雨や雪が落
ちやすい直線的な切妻。簡素化された中に、渋い華やかさと重厚さを兼ね備えた建築様式です。ちなみに、
大相撲の吊り屋根も同じ様式です。
境内で、ツツジが花の見ごろを迎えています。15年前から住民からの「献木」で株数を増やし、今では
ヒノデツツジやヤマツツジ、クルメツツジ、リュウキュウツツジなど10種類、1300本のツツジが咲き誇って
います。本州方面より開花は約一ヶ月遅れ。今、当地ではツツジの季節を迎えています。
ツツジの株元で、牡丹が華やかな花を咲かせています。ボタンとシャクヤクは、聞きなれた花名ですが
未だに、一呼吸置いてから花名が口から飛び出す植物です。
スイレンが花を満開に咲かせています。神社の帰り、気になっていた南部陣屋史跡の小さな堀で
咲くスイレン。先日、開花したばかりの記事を投稿しましたが、ほぼ満開に花を咲かせています。
マスイチ浜から追直漁港方面の眺望です。前面の海上を海霧が南からの気流に運ばれ海面を滑るよう
に流れ込んで来ます。
マスイチ浜は道内屈指の風光明媚な景勝地です。流れ着く海霧が、風景を刻々と変化させます。眺めて
いると時間の経つのを忘れてしまうほどの光景です。
海霧が陸に向かって流れ込んでいる場所は、両側を高さ100mほどの断崖に挟まれた平地。風が通
りぬけ易い場所です。海霧は気象条件や地形にもよりますが、気温の高い陸地部を500mほど進むと跡
形もなく消滅してしまいます。
マスイチ浜展望台の左側前方、300mほど離れた場所。海面からそそり立つ、高さ100mほどの断崖
絶壁の中腹で、ヤマツツジ(山躑躅)が花を咲かせています。白い凝灰岩の表面に張り付き、過酷な環境
下で自生する逞しいツツジです。
マスイチ浜展望台から、さらに階段を登ると海面から高さ100メートルの位置に第2展望台があります。
足元の直下に、噴火湾に突き出るような形のカモメ岩を望む。噴火湾の大海原から流れ寄る海霧が、カモ
メ岩を霞めながら 次から次へと通り過ぎて行きます
※ご参考まで。地点の標高は、国土地理院地図(電子国土Web)を参照しています。詳細を知りたい地図上にカーソルを合
わせ、マウスの右をクイックしますと位置や標高などの詳細な情報が得られます。
初夏の風物詩、海霧が市街地や港を包み込みました。海霧は、暖かく湿り気を帯びた空気が海面上で
冷やされ発生します。南風に運ばれ流れ込んで来た海霧は、時間の経過に伴い周囲の風景を幻想的に
変化させます。これから6月に入ると本格的な海霧の季節が到来します。
プレジャーボートの繋留地。本来なら後方に白鳥大橋が優美な姿を見せていますが、海霧で橋全体が
覆い隠されてしまいました。
当地では、初夏を迎えると霧の日が頻繁に出現します。今日も早朝から、周りの景色を霞めるよう
に朝霧が立ちこめました。
朝日が朝霧をすり抜け、シラネアオイの花を照らし出す。このシラネアオイの群生地は居住地から
至近距離の場所です。先日、投稿しましたシラネアオイの自生地より、一週間ほど遅い開花ですが、
例年にないほど多くの花を咲かせています。
シロバナシラネアオイ(白花白根葵)、数えきれないほどの淡紅紫色の花の中で白花が花を咲かせ
ています。このように純白の花を見れるのは稀な事です。
ライラックが、心地よい仄かな香りを放しながら花を満開に咲かせています。ライラックは5月の青空に
とてもよく似合う北国を代表する花木です。
当地では、今がツツジの季節です。このツツジの品種は分かりませんが、庭に植えてからは30数年。
毎年、数えきれないほどの紅色の花を咲かせます。
イリス・クリスタータは、花径5~7cm・草丈は7~15cm程とすべてが小型の植物です。乾燥や寒さに
とても強い生育旺盛なアヤメ属の多年草です。
今年も、クレマチス・モンタナが蔓を長く伸ばし花を咲かせています。花名のイメージから、原産地はヨー
ロッパを連想しますが、本来の自生地は中国南西部からヒマラヤ の標高2000メートルほどの高地。
何しろ、蔓を旺盛に伸ばすクレマチスです。我家では隣との境のブロック塀の中段に竹竿を横に沿わせて
蔓を誘導しています。
アジュガの別名は西洋十二単。今、庭の方々で花を咲かせています。この植物も生育旺盛、移植にも
強く手のかからない丈夫な多年草です。
プリムラ・ベリスは、黄色の花の中央に薄オレンジ色の絞り模様が入る可憐なプリムラです。我家の庭
では最初にジュリアン、次にポリアンサが花を咲かせます。ベリスはやや気温が上昇してから開花する奥
手咲きのプリムラです。
ブラキコム・アングスティフォリア。流通名は、ヒメコスモス。花は、赤紫色で花の径は3cmほど。花だけ
ではなく、紅色の蕾も美しい。夏場になると花数を減らしますが春から晩秋までの長い期間、可憐な花を咲
かせ続ける多年草です。
イタンキ浜に清々しい潮風がゆるやかに流れる。これから季節が進むと、一帯では海浜植物の花々が
咲き誇ります。毎年恒例、花のシーズンの1番バッターのハマエンドウが花を咲かせ始めました。
※イタンキ浜の後方には、海抜80mから100mを越す凝灰岩の断崖絶壁がそそり立っています。遠方
に見える半島状の場所はトッカリショ。一帯は市内はもとより道内を代表する風光明媚な景勝地です。
ハマエンドウが濃紫色の花を咲かせています。例年に比べて早い開花、花名の由来は、浜辺に自生し
エンドウマメに似ている事から。ハマエンドウの花が咲くと、浜は初夏の季節へと移り始めます。
潮騒を打ち消すように ヒバリの囀りが響き渡る。浜の後方に広がる海岸段丘に広がる草原は、ヒバリ
の生息地です。人に慣れているのか、至近距離まで近寄っても飛び立たずにカメラの被写体になってくれ
る親しみを感じる野鳥です。
浜辺より一段高い散策路沿いの砂地で、ハマハタザオも花を満開に咲かせています。ハマハタザオは、
海岸付近に自生するアブラナ科の多年草。間もなくすると、浜に初夏が訪れる事を知らせてくれる海浜植
物です。
室蘭岳の裾野に広がる広大な牧草地。ハルザキヤマガラシが牧草地の中で、カーペットを広げたように
鮮やかな黄色の花を咲かせています。
ハルザキヤマガラシ(春咲芥子)は、菜の花と同じアブラナ科の植物。明治時代に海外から渡来した冷涼
で陽当たりの良い場所に生育する帰化植物です。
ハルザキヤマガラシの花と牧草の緑色。さらに、ほんのりと白く群生するナズナ(ぺんぺん草)とのコント
ラストが見事な景観を作り出しています。
小さな堀の中でスイレンが花を咲かせ始めています。今シーズンは、花々の開花が例年に比べて
早め。当地では、4月の後半頃から気温の高い日が続いています。その事が影響して植物達は勢い
を増しているようです。
サンリンソウ(三輪草)が可憐な花を咲かせています。キクザキイチゲ、ニリンソウと順次花を咲か
せて来たイチリンソウ属のしんがり。サンリンソウは、1本の茎から3本の花茎を伸ばし花を咲かせる
事が草名の由来です。
サトザクラが満開に花を咲かせています。元々は、山桜を改良した園芸種。本来の桜のような素朴
さはありませんが、華やかさが際立つサクラです。
撮影地を巡っている時に偶然、遭遇したエゾシカ(蝦夷鹿)です。人を見ると、このように立ち止まり
じっと見詰める習性があります。好奇心と言うより警戒心からの行動のように思えます。この後、一目
散に藪の中に走り込み姿を消しました。
カメラアングルは、朝の静けさの中、清々しい潮の香が漂う室蘭港崎守埠頭からの光景です。今日、当
地の日の出時間は4:10分、日一日と朝が明けるのが早まっています。日の出から2時間弱ほど経過した
港の朝景色です。
この時間帯になると、夜が明けるのを待ち構えていたように船舶が港内外を行き来し始めます。
港の入口付近の眺望です。撮影の立ち位置から2kmほど離れる、超大型鉱石船がタッグボートに誘導
されながら室蘭港に入港です。
さらに、遠方に蝦夷駒ヶ岳が朝もやに霞む。対岸渡島半島までの距離は、噴火湾を隔て39kmほど。目の
前に、雄大な港内外の景色が広がります。