ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

トマチーの正しい食べ方または大きなお世話

2010年03月20日 | パスタの話

Photo クアトロで今週の一押し「トマトとチーズのスパゲッティ」を注文する。よそのテーブルでは、トマチーくださいとかいうお客も見受ける。きっと常連なのだろう。
しばらくして運ばれてきたスパゲッティには、具と思われるものはほとんど無い。たっぷりのソースがかけられていて、中央には申し訳程度にフルーツトマトの串切りとバジルと唐辛子が飾られている。パスタを覆うたっぷりのオレンジ色のソースは泡立てたかのように小さな気泡を包んでいる。天井の照明があたりそのソースはキラキラと輝いてみえる。
いつまでもソースの輝きに見とれているわけにもいかない。そのソースには大量のモッツァレラチーズが溶け込んでいるのだ。早く食べてやらないと固まってしまうだろう。
まず飾りのバジルをちぎって香りを引き出しソースにちりばめる。フルーツトマトの串切りは、こだわりのトマトを使っているぞというメッセージと思われる。唐辛子はまったくの飾りだろう、これは皿の端によけておく。さあ、準備は整った、戦いだ。
それにしても、スパゲッティに対してソースの量が半端でなく多い。スパゲッティをスプーンを使って食べるのは邪道のように思われているが、このスパゲッティの場合はスプーンの助けを借りたい。フォークでスパゲッティだけを食べていると確実にソースが残ってしまう。パンでも注文して残ったソースをいただくのも手かもしれない。
戦いが終わると、皿に残ったわずかなソースに未練を感じつつも、トマトとチーズの美味しさを味わい尽くしたという達成感に包まれるのだ。

コメント
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