イヴァロから100kmほど南のソダンクラまでは天気も良く、さりとて風景が変わるわけでもなくて針葉樹の林と時速100Kmまで出せる真っ直ぐな道路、たまに道草を食っているトナカイの親子など代わり映えがしない。
ソダンクラでドイツ系のスパー・リドルを見つけてショッピング。すべてがノルゥエーとは比べられないくらい安い。特に野菜がほとんど英国と同じくらいの値段で嬉しかった。
ここソダンクラから西のスエーデンへ向ってゆく2級道路を行くことにした。途中まで道路状態が良く降り出した雨でもまま我慢できたが急に未舗装の泥道になりこれが50km以上も続いた。雨は止まず、対向車が少ないだけが慰めだったが、泥しぶきが激しくてキャンパーの後ろの窓は見えなくなってしまった。途中で北からの幹線道路と合致する時点でスエーデンは諦めて、6年前にも行ったロバニエミのキャンプサイトへ行くことに決めた。このロバニエミは北極圏の真下にあり近くのサンタクロース村が大繁盛している。
6年前サンタクロース村でサンタのおじいさんと一緒に写真を写し、25枚のクリスマスカードを書いて12月に発送してもらうことにした。今でもそのカードを持っていてくれるフランス在住の友達もいて、あの頃を思い出すことができる。
ロバニエミのキャンプサイトの横を流れるケミヨキ河はフィンランドで一番長い512km、ラップランドからバルト海へと流れその間、21の発電所を持っている。
翌日は雨上がりの空で気持ちよく晴れ、スエーデンとの国境近くのキャンプサイトへは12時近くに着いた。サイトはそれほど混んでいなかったし、設備が整っている。特に夕方7時から9時まで無料サウナがありこれが一番楽しみだった。
6年前にも南フィンランドのキャンプサイトで湖の側のサウナに入り、20分ほど入って暑くなると湖に入ってまたサウナにを繰り返し一日中爽快だった。この時はサウナが満員で10人以上の女性が詰め掛けていたが、ここのサウナでは2人のストックホルムから来た老婦人と一緒だった。日本の大衆浴場を思えばサウナなどたいしたことは無いから裸でも良いが、今回は水着を持っていってたから水着で40分も粘った。
亭主は大衆浴場の習慣がどうしてもなじめず、サウナどころかシャワーでも大衆のところは嫌がる。
このサイトの横にも湖があるがここもフィンランドのどことも変わらず水が黒い。鉄分が多く含まれているのかそれとも大地がピート(泥炭)から成っているいるのか、ノルゥエーの氷河からの水以外は北欧の湖や河は水が黒い。
北極圏から100KM南のトルニオでは真夜中の太陽は見られない。夜12時空が赤く染まっているが夜明けは2時か3時だろう。