スヴォルヴァーからフィヨルドに沿って北上する。この島もフィヨルドで分断され6年前は隣の島への橋もトンネルも無かったから、フィスケボールの港から北の島へフェリーで渡り遠回りしてメインランドへ行くしかなかった。
6年前にはもう工事中だったモイサレン・ナショナルパークを貫く道路はたくさんのトンネルとフィヨルドのほとりを走リナーヴィック(Navik)の北ビジャークヴィック(Bjarkvik)でメインランドのE6と合流する。
このサイトはフィヨルドの真ん中に突き出た岬のような所で如何してキャンプサイトに教会があるのか判らない。6年前ここを通った時は晴天でフィヨルドの見晴台から見えるこの教会が素晴らしかった。この日夕方から一晩中雨で、トイレに行くのさえも大変なくらい降られた。
雨上がりの朝、隣のオランダ人キャンパーのおじさんがこのフィヨルドで鯖つりをしたといったので、ついその気になって一時間だけ釣りに専念したが海草にかかって一匹も釣れずに諦めた。
今回初めて通ったナショナルパークも長いトンネルを何度も抜け、流れ落ちる高く細い滝に感激し、フィヨルドに映る険しい山々の峰を見ながらまた島を分断するフィヨルドの最も狭い地点の橋に近づいた。過去にはフェリー乗り場だったところが、橋ができたため何人かの人達の仕事が奪われてしまっただろう。
メインランドに近づくにつれ山は険しさをなくし、丸みを帯びてきた。道路の両側には色とりどりの野の花が咲き誇っている。ここは野生のマーガレットが一面に咲いていた。
ナーヴィックの町を対岸に見渡せるフィヨルドの岸辺に1940年ドイツ軍が連合国軍と戦った記念碑が建っていた。ドイツは北欧全部を制覇し最後にノルゥエー軍が英国軍の助けで敗戦を免れたため、今でもクリスマスにはノルウエーから送られる巨大なクリスマスツリーがトラファルガー広場に立てられる。
ナーヴィックの北100kmほどの道路サイドで見つけたキャンプサイト、サイトの両側をきれいな谷川が流れ落ちていてあの水はうまいだろうなーなんて思った。下りていってカップいっぱいの水を飲んでみたい。
キャビンに犬を連れたドイツ人夫婦は車で旅しているが、ノルゥエー北端のカークケネスからロシアへ100km内陸まで旅するそうで、犬だけはカークケネスに置いてゆくそうだ。いろいろな旅人がいる。
キャンプサイト両側の谷間から流れ出る澄み切った水は、只一本北へ向うメイン道路E6に沿って激流となって前方に広がる湖に流れ込んでゆく。
この日200km西のトロムセ(Toromso)へ向ってキャンパーを走らせる。
トロムセはバルスフィヨルドの縁からE8に乗って遠くの雪山や氷河を左に見ながら西へ向う。フィヨルドの縁の白い工場も遠くから見ると絵のように素晴らしい。
トロムセは北のパリと呼ばれているそうだから、是非見てみなきゃと往復160kmほどのわき道に入ったものだ。この町も周囲をフィヨルドで囲まれた小さな島でメインランドや西の大小の島々とも橋やトンネルで結ばれている。
メインランドから見るトロムセはノルゥエーに入国して以来大きな町を避け、大自然ばかりを見てきた為か、大都会に見える。
島への長い橋の近くに巨大なクルーズシップが停泊していた。
メインランド側にキャンプサイトがあり、ここから歩いてもそんなに遠くではないが、インフォメーション不足で片道10分のバスに二人で8ポンド50も払ってしまった。