両親がクルマを買い換えるそうだ。
知り合いのディーラーに行って、もうすでに購入の手続きはしたと、仕事帰りに実家に寄った
ワタシに向かって、母がそう言った。
今、両親が乗っているクルマは軽自動車だ。
しかし見た目は傷もないし、古く見えないし、まだまだ買い換える必要はないじゃないか・・・と
ワタシは思ったのだが、母と話をしているうちに、今のクルマが購入からすでに13年が過ぎてしま
っていることに、あらためて気づいた。
光陰矢の如し。
つい、この前買ったと思っていたのに。
いつの間にかそんなに時間が過ぎていたのか・・・。
「見た目はキレイじゃけど、走ってたら変な音がするんよ。何べんも修理に出したんじゃけど、
また音がするけぇねぇ。もう治すのも疲れたわ」
母は新しく購入するクルマのパンフレットをワタシに見せながら、そう言って笑った。
13年落ちのクルマの外見が“異常に”キレイなのは、きっとどんな物でも大事に扱う、両親の性格の賜物だったのだろう。
しかし、そんな両親であっても、さすがにエンジンの奥の奥のことまでは、大事にしたくても、
ちょっと出来ない相談だったのかも知れない。
「今度のクルマも軽自動車じゃけど、でもあれより全然良いけぇね。」
とクルマに疎いはずの母は、ディーラーの受け売り的なことを口にし、そしてその後、こう言葉を続けた。
「まぁ、今度のクルマが、“人生最後のクルマ”じゃわ」
何をバカなことを・・・。
ワタシは反射的にそう答えてしまった。
しかし、その言葉に力は入っていなかった。
ワタシも普通の人の子だ。
両親には、いつまでも健康で長生きをしてもらいたい。
しかしその両親も、父は今年73歳で、最近めっきり足腰が弱くなり、そろそろ杖も必要になりはじめた。
母も69歳で、来年いよいよ大台だ。
当たり前だが、ワタシにとっては生まれた時からはるかに年上で、幼いの頃は強く優しく頼もしかった
両親も、もう今ではどこから見ても、誰から見ても、立派な(?)老人になってしまった。
だから母が言った“人生最後のクルマ”という言葉は、本当に物を大事に使う両親にとって、案外本心なのかもしれない・・・と思っているもう一人の自分もいる。
納車は今月末とのこと。
新しいクルマが来たら、ワタシの子どもたち・・・つまり、自分たちの孫を最初に乗せたいと言って、
母は眼を細めた。
70年代初頭の三菱・コルト(上記の写真)から始まった、両親の自家用車。
それから数えて数代目となる新しい自家用車が、もうすぐ両親の元へやって来る。
知り合いのディーラーに行って、もうすでに購入の手続きはしたと、仕事帰りに実家に寄った
ワタシに向かって、母がそう言った。
今、両親が乗っているクルマは軽自動車だ。
しかし見た目は傷もないし、古く見えないし、まだまだ買い換える必要はないじゃないか・・・と
ワタシは思ったのだが、母と話をしているうちに、今のクルマが購入からすでに13年が過ぎてしま
っていることに、あらためて気づいた。
光陰矢の如し。
つい、この前買ったと思っていたのに。
いつの間にかそんなに時間が過ぎていたのか・・・。
「見た目はキレイじゃけど、走ってたら変な音がするんよ。何べんも修理に出したんじゃけど、
また音がするけぇねぇ。もう治すのも疲れたわ」
母は新しく購入するクルマのパンフレットをワタシに見せながら、そう言って笑った。
13年落ちのクルマの外見が“異常に”キレイなのは、きっとどんな物でも大事に扱う、両親の性格の賜物だったのだろう。
しかし、そんな両親であっても、さすがにエンジンの奥の奥のことまでは、大事にしたくても、
ちょっと出来ない相談だったのかも知れない。
「今度のクルマも軽自動車じゃけど、でもあれより全然良いけぇね。」
とクルマに疎いはずの母は、ディーラーの受け売り的なことを口にし、そしてその後、こう言葉を続けた。
「まぁ、今度のクルマが、“人生最後のクルマ”じゃわ」
何をバカなことを・・・。
ワタシは反射的にそう答えてしまった。
しかし、その言葉に力は入っていなかった。
ワタシも普通の人の子だ。
両親には、いつまでも健康で長生きをしてもらいたい。
しかしその両親も、父は今年73歳で、最近めっきり足腰が弱くなり、そろそろ杖も必要になりはじめた。
母も69歳で、来年いよいよ大台だ。
当たり前だが、ワタシにとっては生まれた時からはるかに年上で、幼いの頃は強く優しく頼もしかった
両親も、もう今ではどこから見ても、誰から見ても、立派な(?)老人になってしまった。
だから母が言った“人生最後のクルマ”という言葉は、本当に物を大事に使う両親にとって、案外本心なのかもしれない・・・と思っているもう一人の自分もいる。
納車は今月末とのこと。
新しいクルマが来たら、ワタシの子どもたち・・・つまり、自分たちの孫を最初に乗せたいと言って、
母は眼を細めた。
70年代初頭の三菱・コルト(上記の写真)から始まった、両親の自家用車。
それから数えて数代目となる新しい自家用車が、もうすぐ両親の元へやって来る。