りきる徒然草。

のんびり。ゆっくり。
「なるようになるさ」で生きてる男の徒然日記。

追悼。

2016-04-22 | Weblog
あれは、1980年代半ば。

とにかくベラボーに人気があった。
しかしその反動も大きくて、嫌いな人はそれこそ蛇蝎のごとく嫌っていた。

当時ワタシが購読していた音楽雑誌で「好きなミュージシャン・嫌いなミュージシャン」という投票企画があった。
この人は、「嫌いなミュージシャン」で、まるで出来レースのように毎回毎回、圧倒的大差で第1位に輝いていた。
その雑誌には読者から寄せられた嫌いな理由も掲載されていた。
「爬虫類みたい」「気持ち悪い」「生理的に嫌」・・・・etc.
そこまで言わなくてもいいだろう・・・と子ども心にそう思ってしまうほど、それはもうケチョンケチョンだった。

ワタシが自らこの人の音楽に触れていたのは、実質、1984年から1985年にかけての2年間だけだった。
その後、「バットマンのテーマ」とかが巷を賑わした時期もあったけど、とんねるずのパロディでそれを知ったくらいで、その頃にはもうまったく聴いていなかった。

「ビートに抱かれて」、「Let's go crazy」、「パープルレイン」、「Raspberry Beret」。
ワタシにとっては、この4曲だけ。

アルバムを通して聴いたことがないし、ましてやライブなんて行ったことがない。
なので、さほど思い出があるというわけではないのだけど、それでも、なぜか毎年9月頃になると、今でもこの曲が聴きたくなる。
たぶん、その頃にこの曲はヒットしていて、ワタシはこの曲でこの人を知ったからだと思う。
だから、あれから30年以上過ぎた今でも、ワタシのデジタルウォークマンには、この曲だけはしっかりと入れてある。

10代の頃のように貪るように新しい曲を聴くこともなくなった。
10代の頃に好きだった数多の曲も、櫛の歯が抜けるように記憶から少しずつ剥がれ落ちつつある。
そんな中で未だに自分の中に残っている曲は、ある意味、自身にとって本当に大切な曲なのかも知れない。

今朝、突然の訃報を耳にしてそんなことを思った。

ご冥福をお祈りします。

Prince「ビートに抱かれて」
コメント
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