Erik Satie - Gymnopédie No.1
昨夜から降り出し雨は、先ほどまで降っていた。
雨が音を吸収し、暗く寒いこんな日は、なぜだかとても眠くなる。
コタツに入ってコーヒーなどを飲むと、その眠さは破壊的な強さでもって私の意識を奪おうとするのだ。
晴耕雨読じゃないけれど、せっかくの空いた時間を眠ってしまうには惜しいので、あらゆる抵抗を試みる。
寝落ちそうになったなら、コタツから出て身体を動かし、あるいは音楽をかけて気分を変えてみるなど。
眠気を追い払うには適さないかもしれないが、エリック・サティの音楽は、わりに灰色の薄寒い日によく似合う。
いささか内気でとつとつとしたところが、そう思わせるのかもしれない。
声高に主張することがないこれらの音楽を、サティは「家具の音楽」と呼んでいたそうだ。
雨の音を打ち消さず、共にぽつぽつと降る音は、まさしくその呼び名に相応しい。
Erik Satie - Five Nocturnes