rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

おお、カルヴァドスよ!

2019-12-10 22:55:31 | 食べ物たち
カルヴァドス、恋焦がれるその美酒よ!
カルヴァドスとは、フランスノルマンディー地方でリンゴから作られる、いわいるアップルブランデーといったものだ。
しかも、その地方で作られるもののみ、カルヴァドスと名乗ることができるらしい。
シャンパンと同じような差別化だ。
そしてそう、馥郁たるその香り、舌にやわらかく転がるその黄金色の漣が、咽喉も心も満たしていく。
若き日、あの港町トゥローヴィルの裏路地に小ぢんまりとした店構えのレストランでとった夕食の、ディジェスティフに飲んだカルヴァドスを、いまだに忘れられないでいる。
あれから数十年経つのにまだ恋慕しているのかというと、以来カルヴァドスを口にしていないからだ。
もちろん、カルヴァドスは日本でも売られている。
しかし、私にはかなりお高い。
家人はほぼ飲酒をしないので、私だけのためにそれを買うのはちょっと気が引ける。
けれど、もうそろそろそのような気遣いもいいのではないかと思い始めた。
きっかけは、近頃期間限定(この言葉には弱い)で、カルバドス入りのチョコレートが出回っていたことだ。
まずは、3箱買って食べてみる。
一粒口に放り込むと、チョコの中からカルバドスが口にパッと広がって、天使が歓喜のラッパを高らかに鳴らした心地になった。
ああ、私のカルヴァドス切望感にいっきに燃え上がってしまった。
それからというもの、カルヴァドスをいつどうやって手に入れようか、心がわくわく落ち着かない。
ご褒美という名の下に、私の中の欲望サンタが動き出すのは、そう遠くないであろうと予感するのであった。