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雨だから”シン・エヴァンゲリオン劇場版”

2021-08-13 23:11:32 | 漫画やアニメ
いろいろなものへのオマージュを絡めながら、心の成長を扱い、かつ一種の悟りをもって混沌の中より立ち上がり、今を大切に生きようと伝えたかったのだろうか。
手塚治の「火の鳥」や「伝説巨神イデオン」、「起動戦士ガンダム」、「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」、「ぼくらの」、はたまた「輪るピングドラム」「魔法少女まどか☆マギカ」「東京喰種トーキョーグール」など、多くの要素が混在しているように思った。
登場人物は、癒えない渇きに苛まれて、愛の不在に困惑し絶望したり憤怒に身を焦がす。
ある者は他を拒絶し己の技量を挙げることで自己を確立しようと自己完結を目指し、またある者は渇きを潤すものに執着し与えられることのみに心血を注ぎ、ひたすら自己否定を繰り返し狭い世界で堂々巡りをする。
愛は、与えられるだけでも、与えるだけのものでもない。
愛は、相補性であり、互いに補い合いながら慈しむものだろう。
それが出来るも者から、この苦界から離脱し輪廻の輪から抜け出ることが出来るのだろう。
苦界での、いつ終わるか分からない中でもがき苦しみながら、魂の修練を重ねて一歩違う境地に踏み出られたら、くびきが外されるのだ。
象徴的なのは、生れ落ちてより天涯孤独なアスカが、自己完結を貫く揺らぎを見せた中で与えられた一つの言葉によりすべての枷が外れたことだ。
愛というものを知った、それがどれほど大きかったのかを思うと、いたたまれなくなる。
また、このテーマの中で「親殺し」「子殺し」があるが、親が子を殺す(種々の虐待)から子が親を殺すのだと、負のスパイラルを告発しているようにも見えた。
人は愛なしでは、自身を保つことは出来ない。
まずは大人が、そして若い人たちも、気づいた時点で自分を振り返るのもいいけれど、今を大切に、身近な人に愛を持って接していって欲しい。
過去は変えられないけれど、未来は変えることができるのだから。


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