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ジョン・シンガー・サージェント、切れっ切れの筆捌き

2015-06-07 22:23:29 | アート




ジョン・シンガー・サージェントは、19世紀末から20世紀前半に活躍したヨーロッパ育ちのアメリカ人画家。
卓越した技術で多くの肖像画を手がけ、おそらく上流階級の婦女子は彼に肖像画を描いてもらうことを競ったのではないかと思える。
以前オスカー・ワイルド「ドリアングレイの肖像」についてブログを書いたとき、ヴァン・ダイクの描いた「リッチモンド公ジェームス・ステュアートの肖像」が思い浮かぶとした。
けれど、同時代にいたサージェントの描く肖像画、あいにくと美青年の絵が存在するかどうか知らないが、小説に登場する絵の魔力を秘めている気がしないだろうか。
迷いない筆捌きによって描き出される人物には、切れのある独特な美しさがあるからだ。
彼は生涯においていったいどれほどの肖像画を描いたのか。
晩年には、一切の肖像画の依頼を断って、水彩による風景ばかりを描いたそうだ。
ワンタッチで決まって作られる絵なので手馴れたことが仇になり、かえって深みが無いように感じられてしまうことがもったいない。
いや、これはヘタな絵描きの僻みなのだろう。
もし、サージェントに肖像画を描いてもらったならば、こんな自分でもとびきり美しくなるのではないかと、ちょっと低俗な夢想をしてしまう、サージェント・マジックである。











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