rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

賑やかな星空を見たら、クレーの魚の絵

2014-02-22 00:14:33 | アート

goldfish


fish magic

今日の夜空は、彩度の高い漆黒の空にきらきらと星たちが賑やかに輝いていた。
クレーの魚の絵。
深く黒に近い藍色に、キラ星の如く魚が浮かんでいる絵。
いや、浮かんでいるのではなく、どこからともなく浮かび上がってきているといえばよいのか。
新月の夜の海あるいは深海、光る魚は自らの命の内奥から光を滲み出すかのようだ。
今夜の空は海、魚は星として、私の頭上にただ在った。
宇宙と星への賛歌、クレーへの賛歌。
寒さも忘れて、じっと空を見上げていた。
クレーの魚の絵には、その空があった。
どちらも私にとっては、同じ世界を感じさせた。

今は構わないで

2014-02-19 22:50:22 | ねこ

陽だまりのねこ 19/2/2014



ねこ丸くまどろむ、ツツジの根方 19/2/2014

猫が、人目に付かないツツジの根方で丸くなって寝ている。
暖かな日差しを楽しんでいるようだ。
保護色なねこだから、探そうと思って注意深く見ないと見つからない。
歯槽膿漏のための抗生剤の効力が切れて、また歯の具合が思わしくなくなり、ときどき口を開いては手でさするようなしぐさが戻った。
ねこの昼寝が終わって、ポストの下の芝生で日向ぼっこをしているとき、ねこに聞いてみた。
「調子が悪いなら病院へ行く?」
ねこは、もちろん快諾するはずはない。
まだ頻繁に口を気にしていないようだから、もう少し様子を見てみようか。
その気配を察知したのか、ねこはちらとこちらを見てから後ろを向き、「今は構わないで」と告げているようだった。

朝と夜の白湯

2014-02-18 22:52:48 | 随想たち
この冬の始まりから、朝起きてすぐと夜寝る前に、白湯を飲むようになった。
以前は、朝はコップ1杯の水、寝る前は薄めのコーヒーときどき白湯が習慣だった。
しかし、加齢と共にもともと強くない胃腸の負担を減らさなくてはならないようになってきて、白湯へと転換したのだ。
こうしてキーボードを打っている間に、マグカップ1杯の白湯を飲みきってしまった。

時代物のドラマなどを見ていると、白湯はよく飲まれていたように演出されている。
平安時代に中国から伝わった茶は、貴族や僧など一部の限られた人だけのものだった。
茶を武士が飲むようになっても特別な意味合いが強く、庶民にいたっては茶の栽培が広まった江戸時代まで待たなくてはならなかった。
子供の頃、茶を飲む器を「湯呑み」という名称に違和感を持っていた。
もともとは、茶と共に伝わった碗だから茶碗とこの名称のほうが先だったのが、庶民には高価な茶が下る前に碗だけ先に使われるようになり、”湯”を飲んでいたことから”湯呑み”の名称が後付されたらしい。
そうと知ってから、白湯を飲むたびに古の人々を偲ぶことを愉しんでいる。

水を沸かしただけのシンプルな白湯は、人に優しい。
一番単純なものをじっくりと味わうと、生命の根源的愉悦でもって、ふるふると体が震える錯覚を覚えるのだ。



安穏としたどきどきの布団干し

2014-02-17 23:17:59 | つぶやき&ぼやき
今日は晴れて暖かく、絶好の布団干し日和。
でも、万が一スギ花粉が飛んでいたならと用心して、昨日の強風で散らかった枯葉や杉の花芽を掃除を兼ね、無防備でしばらく庭に出てみる。
鼻がムズムズしないので、これはいけると家の脇に立つ杉の茶色な丸い花芽を横目で牽制しながら布団を干した。
気になるのは、カラスが警戒音で鳴いていること。
大概こういうときは、決まって強い風が吹いてくるのだ。
お昼近くになってだんだんと風が強くなり、12時をまわるころには、布団が風で揺れだした。
畑を見ると、表面が薄っすらと乾いている。
これが潮時か、布団の表面をブラシで払いながら午後1時前に取り込んだ。
先週の木曜日、花粉時期に突入する前の最後の布団干しと思っていたけれど、また干すことができてよかった。
しかし、これも先週末、このあたりが雨だったからできたこと。
昨日、千葉の浦安方面に行ったなら、路肩に多くの雪が残っていた。
街路樹は雪の重みで裂けているものも多く見られる。
いや、山梨・埼玉・群馬・栃木・福島など多くの地域が今なお大雪の被害から復旧できていない。
今週中には、更なる雪が降るかもしれないとは、なんとも手厳しい自然の力。
追い打ちがくるその前に、道路状況の改善と生活必需品、医療が復旧することを切望する。




美食とマンガのベルギーのブリュッセル

2014-02-15 22:59:09 | 街たち
「にじいろジーン 地球まるごと見聞録」ヨーロッパの交通交易の十字路として栄えたベルギーの首都ブリュッセル。
グラン=プラスは、中世ゴシック様式の市庁舎をはじめネオゴシック様式のギルドハウスが広場を囲むように立ち並ぶ、世界有数の美しい広場。
鉄の結晶構造がモチーフのアトミウムは、55年前のブリュッセル万国博覧会のモニュメントとして作られた。
新旧の違いはあっても、小便小僧と同じく街のシンボルとなっている。

ベルギーは美食の国ならではのグルメ。
「ラ・ベル・マレシュール」は、120年以上も続くシーフードレストラン。
一般的に鶏肉で作るワーテル・ゾーイが、ここでは魚介のワーテル・ゾーイとして楽しめる。
サーモン・ヒラメ・スズキなどをソテーしてからクリームスープで煮込む、冬にうれしい熱々の食べ物だ。
「ル・ジネケ」は、ムール貝専門店で、なんと5年間で69種類もの味を開発したのだとか。
人気なのは、トマトソース・生クリーム・チリペッパー味、カレーと生姜のクリーム仕立て、そして1番はベーコン・ベルギービール・マッシュルームのムール貝だとか。
ムール貝を食べるときは、貝殻をトングの用に使い身をはさんで食べるのがツウの作法。
どうなのだろう、いずれもお値段が物凄く高かったのは、観光客向けのレストランもしくは高級レストランだったせいなのか。
いやきっと値段なりの品質と味を提供してくれる店なのだ。

ベルギーは、マンガに対して寛容との印象がある。
市中には、マンガの壁画が30箇所もあり、「オリジナル・フィギュア・ミュージアム」には、ベルギー生まれで世界的にも有名な「タンタン」や「スマーフ」などのマンガやフィギュアが展示されている。
「タンタン」と「スマーフ」は、新聞に掲載されたのが始まりというのは初耳だった。
もちろん、マンガ大国日本の作品も深く浸透していて、7年前ブリュッセルを訪れたとき、住宅街にあったマンガ専門店のショウウィンドーに「NARUTO]など多くの日本の作品が並べられていたのに驚いた記憶がある。

アントワープは、ファッションで有名になっているけれど、ブリュッセルもかなりおしゃれになった印象を持った。
「クラウス・ダッフィー」のストール専門店は、デザイン製造全てベルギーでおこなったものを取り扱う。
豊富な色にデザインのストールがあり、ポンチョも人気アイテムとなっている。

もう周知といっても良いほどに、ベルギーはチョコレートと同義語扱いだ。
王室御用達の「ヴィタメール」は、もちろんチョコレート専門店。
そこならではの甘い甘いモーニング、ショコラ・ショー・セットは、つまりホイップした生クリームをでんとのせたココアとチョコレートパンの甘さてんこ盛り、甘党を魅了する内容だ。
「ザバール」は、チョコレート専門店でもあり、手作りチョコレート体験教室も開いている店。
1時間コースで、3種類のチョコレートを作れるらしく、本場の雰囲気を満喫したい方にうれしいところ。

ブリュッセルには多くの学校があるけれど、サーカス学校があるとは驚いた。
「エコール・スベリウール・デザール・デュ・シルク」には、世界12カ国から生徒が集まり、サーカスの技術を磨いていて、卒業生には「シルク・ドゥ・ソレイユ」に入団したものもいるそうだ。

ブリュッセルから北西に車で40分、ベルギー第3の都市、古都ゲントがある。
聖バーフ大聖堂の祭壇画、フランドルいや世界の至宝ヤン・ファン・エイク「神秘の子羊」は必見。
現在修復が行われていて、両翼にあたる絵の修復現場を、ゲント美術館にて見ることができるそうだ。
市中を流れる川沿いにあるフランドル伯居城の近くにある劇場で、”ピルケ・ピララ”の人形劇が鑑賞できる。
ピルケ・ピララは、イタリア発祥で、100年前に伝わった道化のようなもの。
子供向けには、笑いあり人助けありの内容で劇を進めるが、大人向けは毒舌の効いた内容へと変えて劇をする。
子供から大人になっても楽しめる、息の永いヒーローといったとこか。
ブリュッセル・ワッフルの発祥は、実はここゲントで、「フリッツ」はそのワッフルが食べられる店。
大きなワッフルの上に、数種類のフルーツとホイップクリームが山と盛られ、スウィーツ好きにはたまらない。

ベルギーのカフェ、家人に言わせると厳密にはブリュッセルにカフェはないといっていたが、そこに今ではオブジェとして飾られる箱がある。
1980年代まで使われていたその箱には、たて3~4センチほどのスリットに番号がふられ並んでいる。
これは、奥さんに見つからないよう飲み代をへそくる貯金箱の役目があったそうだ。
店側と客の利害の一致。
キャッシュレスの今では、市井の人々の過去の名残りを留める代物だ。
ただ、妻の干渉を受けずに酒を飲みたい夫の気持ちは変わることがない。
いやいや、女性の社会進出が進んだ今にあっては、それはお互い様、財布は別個なのだからもう干渉などということもなくなってしまったかもしれないな。