

皆様、こんにちは。
10月になり肌寒くなってきましたね。風邪にはお気をつけください。
今回のラボ便りは、「受精障害」についてお話しします。
受精障害とは、受精する為に十分な数の運動精子がいるにもかかわらず、
極端に受精率が低いもしくは受精が起こらないことを言います。
受精障害は血液検査や超音波検査等の、
日々行う検査では診断が出来るものではありません。
実際に体外受精を行い、極端に低い受精率が得られた場合、
受精障害の可能性があると考えていきます。
受精障害の原因は、卵子にある場合と精子にある場合のそれぞれが考えられます。
〈精子〉
①精子の機能的な問題により、卵子の透明帯にくっつけないまたは透明帯を通過できない
②卵子を活性化する因子を持たない、もしくはうまく放出できないことにより卵子が活性化できず、受精が起こらない
〈卵子〉
③卵子の透明帯が固かったり厚かったりして、精子が通過できない
④卵子が未熟であるため、受精する能力がない
⑤卵子の活性化が起きていない
①と③の場合、顕微授精を行い卵子に直接精子を入れることで受精率が改善されることがあります。
②と⑤の場合、卵子活性化処理を行うことで受精率が改善されることがあります。
卵子活性化とは、精子から放出される卵子活性化因子により卵子内のカルシウムイオン濃度が上昇し、
卵子が受精できる状態になるまでの一連の流れを言います。
卵子活性化処理には主に以下の方法があります。
・カルシウムイオノフォア
・塩化ストロンチウム
・電気刺激
どの方法も卵子内のカルシウムイオン濃度を上昇させ、卵子活性化を促します。
何かご不明な点がございましたら、スタッフにお声がけください。