RE・かの世界この世界
始原の神々から取り返した時は二間に満たないアメノヌホコだったけど……
「ん? ニケンというのはなんだ?」
ヒルデがのっけから聞いてくる。
そうか、ヒルデは北欧神だから日本の尺貫法は理解できない。
「一間は1・8メートルのことよ。あ、まだまだ伸てる!」
「お、おお!」
イザナギ・イザナミが二人で手に取ったアメノヌホコは、みるみるうちに伸びて、はるか下方のカオスに下りていく。
「見えなくなったぞ」
「目を凝らせば見えてくると思う、このカオスにも上下の区別が出てきたし、上の方から空気が澄んできている」
ズボ
「なにかに突き刺さったな……ヌホコが、あんなにしなってるぞ」
突き刺さった先は、まだ見えてこないけど、ヌホコのしなり具合で粘度の高い液体のように感じられる。
「似ているぞ」
「え、なにに?」
「ブァルキリアの祭りで、ドラゴンの玉子で巨大なオムレツを作ったことがあるんだ。トール元帥が張り切ってな、ミョルニュルのハンマーを巨大なオタマに変えてかき混ぜたんだ、あの時の感じだなあ」
「あ、そう言えば『中二病でも○がしたい』の女主人公のお姉ちゃんの小○遊十花の武器はオタマだよ!」
「それは、きっとトール元帥の反映だな。そうか、あの姉はカミングアウトしたトール元帥だったのか!?」
「でも、凸守▢苗のツインテールはミョルニルハンマーとか言って振り回していなかった?」
「あれは、中二病の幻想だろ、姉を相手にして勝ったことは無いはずだぞ」
「そうだった?」
「そうだ、だいいち、女主人公は牛乳が大の苦手だろ。十花に負けて瓶牛乳を無理やり飲まされて死にかけていたぞ」
「ああ、あったあった。丹生谷△夏にも飲まされて、盛大に吐き出していたなあ」
「ヴァルキリアの人間で牛乳が飲めないやつなんていないからな」
「ちょっと静かにしてもらえませんか、気が散って集中できません(`_´)」
イザナミに怒られる。
ちょっと盛り上がり過ぎた(^_^;)
ピチョ
やがて、ヌホコの先から雫が落ちる音がした。
すると、下界の霞はヌホコを中心にみるみるうちに晴れ渡っていき、広大な海の真ん中に雫が落ちて島になったのが分かった。
「なんの島だろう?」
スマホで調べると『オノコロジマ』と出てきた。
「実在の島か?」
「……いろいろ説があるみたいね……淡路島の横っちょの沼島とか播磨灘の家島とか……博多湾の能古島という説もある」
「近畿エリアと九州エリアか……そう言えば、日本の天皇家の始まりは近畿と九州に分かれていると聞いたぞ」
「あ、それは邪馬台国」
「え、邪馬台国が大和朝廷になったのではないのか?」
「ちょっと、静かにしてください!」
また、イザナミに叱られる。
「おい、あの二人、素っ裸になって島に下りていくぞ!」
「あ、お邪魔しちゃ悪いかなあ(#'∀'#)」
「この先、どんなフラグが立っておるのだぁ(^#▽#^)」
「なんか、いやらしいよ」
「イザナギ・イザナミって、おなじとこから生まれてるから、ひょっとして兄妹!? え、妹系のエロゲだったりするのか!? これは、たしかめなくてはならん!」
「ちょ、ヒルデ、じゃましちゃ……!」
金髪の変態は涎を垂らしながらオノコロジマにダイブしていく、なんだか、妹系ラブコメのヒロインのようになってきた。
「まってくだされ、キ○リン氏!」
あ、わたしもキモオタ女っぽくなって追いかけてしまう……
☆ ステータス
HP:10000 MP:400 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー
持ち物:ポーション・0 マップ:14 金の針:0 福袋 所持金:450000ギル(リボ払い残高0ギル)
装備:剣士の装備レベル55(トールソード) 弓兵の装備レベル55(トールボウ)
技: ブリュンヒルデ(ツイントルネード) ケイト(カイナティックアロー) テル(マジックサイト)
白魔法: ケアル ケイト(ケアルラ) 空蝉の術
オーバードライブ: ブロンズスプラッシュ(テル) ブロンズヒール(ケイト) 思念爆弾
☆ 主な登場人物
―― かの世界 ――
テル(寺井光子) 二年生 今度の世界では小早川照姫
ケイト(小山内健人) 小早川照姫の幼なじみ 異世界のペギーにケイトに変えられる
ブリュンヒルデ 主神オーディンの娘の姫騎士
タングリス トール元帥の副官 ブリの世話係
タングニョースト トール元帥の副官 ノルデン鉄橋で辺境警備隊に転属
ロキ ヴァイゼンハオスの孤児
ポチ シリンダーの幼体 82回目で1/12サイズの人形に擬態
ペギー 異世界の万屋
ユーリア ヘルム島の少女
ナフタリン ユグドラシルのメッセンジャー族ラタトスクの生き残り
その他 フギンとムニン(デミゴッドブルグのホテルのオーナー夫婦)
―― この世界 ――
二宮冴子 二年生 不幸な事故で光子に殺される 回避しようとすれば光子の命が無い
中臣美空 三年生 セミロングで『かの世部』部長
志村時美 三年生 ポニテの『かの世部』副部長