タブレット端末の画像を整理しておりましたら、東京の父の作品の写真が出て参りました。
夏に一人で実家に泊まった際に撮影したものです。
数ある父の作品の中でも、出来栄えの良い作品の一つのように思います。
しばらくぶりに、皆さまにご覧いただきたく存じます。
箱も父が制作しました。蓋を開けるとこんな感じです。
中には作品が入っています。
下の箱には指を入れる穴が開いています。
指で少し押すと、木彫の椿が黒く塗られた額の役目をする板と共に出てきます。
この板も裏には額のヒートンのような紐が着き、作品を飾る位置を調節出来るようにしてあります。
板はほとんど楠や欅など銘木を使い、その材により、木目を生かし色を塗らないものもあります。
椿本体については、以前にもお伝えしたかもしれません。
枝、葉、花、花芯をそれぞれ別々に彫っていき、後で接着させます。
葉は反りを表現する為、厚みのある木片からこの薄さまで一枚一枚彫っています。
時々、薄すぎて割れたり、欠けたりするので、手前の葉のように虫喰いのように見せ直します。
椿を作る材も、作品によってまちまちですが、主には桧を使っていました。
枝は確か椿の木を削って作っていたと思います。
板には焼印で芳匠と押してあります。大工の父の号です。
少し強く触るとハラハラと葉が落ち、花がボトンと落ちます。本物の椿のようにです。
箱には、平紐も付き持ち運びが出来ますが、
「夏美はおっちょこちょいだから、持たせられない。佐橋なら大丈夫だ」という声が耳に蘇ってきますので、
なかなか新幹線でこの作品を名古屋まで運べません。今までに、一、二度、佐橋が運んでくれただけです。
東京でも、千住で開いた展覧会以外は自宅に近いところでしかお披露目をしていません。
いつかこの椿の展覧会を名古屋で開きたいと思っていますが、運び込みになかなかの覚悟が要りますので
つい躊躇してしまいます。
その前に、まず東京でも展覧会を開けると良いのですが。。
父が今の私くらいの年齢のとき、30年近く前になりますが集中的に制作した作品たちです。
親と同じ年頃になってみると、色いろ感じる事があるものですね。
父と娘は、やはりずっと父と娘です。父が居なくなってしまってからもです。
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