『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

春はあけぼの・・・

2009-02-09 14:35:16 | Weblog

  とても、2月とは思えない春の陽気です。

 陽気に誘われ平安の世界に足を伸ばしてみました。

華麗な世界です。表面上は・・・
 

 「春はあけぼの やうやう白くなりゆく 山ぎわ少し明けて紫だちたる
    雲の細くたなびきたる」

  清少納言です。
 彼女の本を読んでいると、決してきれいごとだけではない事がわかり、いくらか「ほっ」とします。

 そして、夏・秋・冬と続きます。

 「冬はつとめて。雪の降りたるはいうべきに あらず。
  霜のいと白きも、またさらでの、いと寒きに火など熾して炭もて渡るもいとつきづきし。
昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も白き灰がちになりてわろし」

 冬は雪あられがちに凍りし風激しくていみじう寒きよし。

 冬の件は身につまされます。

 現代では、考えられないですが、彼女が、宮中に上がっていた頃は、寒さが身に沁みたことでしょうね。
それは、色んな意味で・・・

 彼女の優しさの中から
  「うつきしきもの、何でも小さいものみな かわいい」

 遠くて近きもの
 「遠くて近きもの極楽くらまのつづらおり 十二月のつごもりと、正月の一日と宮のべのまつり」

 彼女は、気性の激しい人のようですが、きっと優しさを隠していたように思います。

 藤原定子には献身的に仕える。あの優しさ・・・
やっぱり素晴らしい人だったと思う。