『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

”おおつごもり”

2009-12-31 16:21:50 | Weblog

 

      

  雪が降ってます。

 とうとう、大晦日(おおつごもり)です。

 毎日毎日が慌ただしく過ぎていきました。

 痛い足も、幾らか楽になりました。

 後、何時間か後(のち)には、新しい年になります。

 どうか、良い年でありますよう・・・

 

 18歳のお峰が山村家の奉公人となってしばらくした後、お暇がもらえたため、初音町にある伯父の家へ帰宅する。そこで病気の伯父から、高利貸しから借りた10円の期限が迫っているでおどり(期間延長のための金銭)を払うことを頼まれ、山村家から借りる約束をする。

 総領である石之助が帰ってくるが、石之助とご新造は仲が悪いため、機嫌が悪くなり、お峰はお金を借りる事ができなかった。そのため、大晦日に仕方なく引き出しから1円札2枚を盗んでしまう。

 その後、大勘定(大晦日の有り金を全て封印すること)のために、お峰が2円を盗んだことが露見しそうになる。お峰は伯父に罪をかぶせないがために、もし伯父の罪にとなったら自殺をする決心をした。ところが、残った札束ごと石之助が盗っていたのであった

  樋口一葉の短編小説 「大晦日(おおつごもり)」から抜粋しました。

 明治時代の悲しい話です。

 現代でも似たような話があるようです。どうか少しでも、倖になってほしい・・・